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医療を最も必要としている人びとへ、確実に届けるために──医療製品へのアクセス改善のための新体制を発足

国境なき医師団 / 2024年7月2日 17時16分

インスリンペンを手に笑顔を見せるシリア難民の少年。レバノン北部でMSFの診療所に通い、糖尿病治療を受けている。毎日のインスリン注射が手軽になり、他の子どもたちと同様に生活できるようになった © Carmen Yahchouchi/MSF

医療を最も切実に必要としている人びとの、医療製品へのアクセスをさらに改善するために──国境なき医師団(MSF)は現行のアクセス・キャンペーンの成果を土台に、改めて力を合わせて活動の拡大に取り組むべく、2025年1月より新体制を発足します。 MSFインターナショナル会長であるクリストス・クリストゥ医師は、「アクセス・キャンペーンから新体制への移行期間も、医薬品や緊急に必要とされる医療製品を、入手が困難な人びとや地域に届ける活動に取り組み続けていきます」と話します。 MSFの活動地をはじめ、世界の各地には、医療製品を入手できないために、受け入れ難い水準の苦しみに直面している人びとがいます。MSFが質の高い医療援助を、最も必要としている人びとに届けていくためには、適切な医療製品が手の届く価格で入手できることが欠かせません。 MSFは長年にわたって、医薬品、診断法、ワクチンの普及や価格設定に影響を及ぼす不公正なやり方に異議を唱える活動を行ってきました。また、危機下にある人びとのニーズに合うような、革新的な製品の開発にも取り組んできました。 1999年にアクセス・キャンペーンを発足して以来、MSFは医療チーム、そして患者にとって、命を救うために不可欠な医療製品へのアクセスを妨げている、構造的な障壁を撤廃するために闘っています。この活動は、MSFが遂行する社会的使命(ソーシャル・ミッション)の中でも、非常に重要な位置を占めています。

アクセス・キャンペーンが過去25年にわたり行ってきた活動を土台として、MSFは今後10年、医療製品の入手を目に見える形で改善するために、更なる努力を重ねていきます。

新体制は、医療・人道援助活動の現場に近い場所から寄り添い、MSFが支援する人びとのニーズをより的確に捉えることを目指します。

5つの地域事務所(マレーシア・クアラルンプール、ケニア・ナイロビ、セネガル・ダカール、ブラジル・リオデジャネイロ、ベルギー・ブリュッセル)は、援助活動を実施するチームや患者、関連する団体・組織などのパートナーやネットワークとも連携して動きます。また、医療製品のアクセス改善に取り組む活動を支えることに特化した、専用の基金も内部に設立します。 MSFは、患者や援助活動チームが直面している問題に、直接取り組むことに重きを置いています。また、これらの問題の原因や増幅させる要因となっている制度的な障壁に取り組む、グローバルな活動も続けていきます。

MSFが活動する世界70以上の国と地域の多くで、人びとが命にかかわる医療製品を利用できるか、できないか──それを左右する政策や施策の変更を求めるアドボカシー活動も、その一環です。 上記のような新体制への変革と発展は、数百人のMSFスタッフと2年以上に及ぶ綿密な協議を経て決定しました。新体制は2025年1月から稼働となりますが、まずはアクセス・キャンペーンが現在行っている主要な活動の継続を重点とします。 私たちが援助を届ける患者や地域の健康を支えるため、MSFは、こうした人びとが必要とする医療製品が開発され、公平に普及し、価格も手の届くものになること、また、ニーズに合致し、質の高いものであること——これらのアクセス課題の改善を目指し、これからも引き続き尽力してまいります。

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