ガザ危機1年にあたっての意識調査
国境なき医師団 / 2024年9月27日 21時7分
2023年10月にイスラエルとハマスの戦闘が激化してから、まもなく1年を迎えるにあたり、国境なき医師団(MSF)日本は、この人道危機の日本社会における関心について調査した。 調査結果から、パレスチナ・イスラエルにおける人道危機に約6割の人びとが関心を持っており、昨年から関心は下がっていないことも分かった。また、6割以上が「何か自分にできることをしたい」と感じており、その傾向は10代で特に強いことが明らかになった。一方で、実際に自分がアクションを起こすことにおいては「分からない・特にない」と過半数が回答。意識と行動にはまだギャップが存在することが浮き彫りとなった。
また、日本からできることとして、「停戦に向けた、政府による外交努力」が重要だと考えられていることが分かった。
意識調査概要
■ 調査対象:日本在住の15歳以上2800人 (15歳~19歳、20代、30代、40代、50代、60代、70歳以上、各400人。男女半数) ■ 調査期間:2024年9月19日~20日 ■ 調査方法:株式会社クロス・マーケティングのインターネット調査ツール「QiQUMO」提携先会員による任意回答
調査結果①
パレスチナ・イスラエルにおける人道危機に約6割の人びとが関心を持っており、昨年から関心は下がっていない。
「パレスチナ・イスラエルにおける人道危機について関心がありますか?」の問いに、「とてもある」と回答した人は18.4%、「ややある」と回答した人は38.9%で、全体の57.3%が関心を持っていると分かった。 関心が「昨年より高まった」「昨年と変わらない」と回答した人を合わせると86.1%で、多くの人にとって関心が下がっていないことが分かった。
調査結果②
パレスチナ・イスラエルにおける人道危機についての報道や情報に触れた時の気持ちとして、6割以上が「何か自分にできることをしたい」と回答。その傾向は10代で顕著。
パレスチナ・イスラエルにおける人道危機についての報道や情報に触れた時に感じる気持ちとして、「何か自分にできることをしたい」と「とても感じる」人が14.6%、「やや感じる」人が47.6%で、合計62.2%が該当した。 年代別に見ると、「自分にできることをしたい」気持ちを「とても感じる」と回答した人の割合は15歳~19歳の層が最も高かった。
調査結果③
最も多くの人が求めるのは「今すぐ停戦してほしい」ということ。「民間人を巻き込まないでほしい」の声も高い。
「パレスチナ・イスラエルにおける人道危機に関して、あなたが求めることは何ですか」の問いに、56.5%が「今すぐ停戦してほしい」と回答。「民間人を巻き込まないでほしい」と回答した人も50.1%に上った。
調査結果④
「日本からできることとして重要なこと」として最も多くの人が回答したのは、「停戦に向けた、政府による外交努力」だった。
「日本からできることとして重要だと思うもの」として、49.1%が「停戦に向けた、政府による外交努力」と回答し、選択肢の中で最も多かった。「停戦後の復興支援」「多くの人が関心を持つ」ことも、日本からできることとして重視されている。
調査結果⑤
実際に自分がアクションを起こすことにおいては「分からない・特にない」と過半数が回答。「何か自分にできることをしたい」と回答した人は6割に上っていたが、意識と行動にはまだギャップが存在することが浮き彫りになった。
「パレスチナ・イスラエルにおける人道危機に関して、あなたはどんなことをしたいですか?」の問いに対して、33.6%が「もっと知りたい」と回答。一方で、53.8%が「分からない・特にない」と回答した。
調査結果を受けて
MSFは、今回の調査で得られた結果を今後の広報に活かし、人びとの「知りたい」というニーズに応えていく。特に若い人びとが、ガザを含む世界の人道危機をより「自分ごと」として考えてもらえるよう取り組んでいく。また、「停戦に向けた、政府による外交努力」を求める声を、日本政府への提言に活かしていく。
パレスチナにおけるMSFの活動
MSFは1989年からパレスチナで活動し、ガザ地区とヨルダン川西岸地区において紛争の影響を受けた人びとの命を支えている。ガザ地区では、700人以上の現地スタッフと35人の国際スタッフが、2つの病院と8つの医療施設で活動している(2024年8月時点)。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ガザ地区:イスラエルによる攻撃、包囲、封鎖はガザの完全破壊──国境なき医師団報告書
国境なき医師団 / 2024年12月19日 18時20分
-
ガザ地区:イスラエルによる攻撃、包囲、封鎖はガザの完全破壊──国境なき医師団報告書
PR TIMES / 2024年12月19日 17時30分
-
国連総会、UNRWAの活動支持とガザ即時停戦の決議採択、ハマスとの停戦交渉は進展(イスラエル、パレスチナ、日本、米国、カタール、エジプト、世界)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月13日 15時45分
-
ガザ:食べ物もおむつも服さえない──劣悪な環境と深刻な物資不足で、命の危機にさらされる子どもたち
国境なき医師団 / 2024年12月6日 12時21分
-
深刻な物資不足に直面するガザ──冬の到来を前に、人道状況のさらなる悪化を懸念
国境なき医師団 / 2024年12月3日 18時20分
ランキング
-
1支持率下落の韓国与党、野党提案の「国政運営協議体」受け入れ…政権乗っ取りへの警戒感も
読売新聞 / 2024年12月22日 12時50分
-
2ブラジル南東部でバス事故、38人死亡
AFPBB News / 2024年12月22日 9時40分
-
3中国民主化活動家の草分け王炳章氏の釈放求め「フリーダムハウス」ら世界の人権団体がキャンペーン 広東省の刑務所の独房に22年間収監され生命の危機に
NEWSポストセブン / 2024年12月22日 7時15分
-
4シリアでロシア、イランの地位後退 露軍車列をあおる地元民 バランス変化、米欧の関与も
産経ニュース / 2024年12月22日 16時0分
-
5「受刑者はすべて殺人犯」ギャング4万人を収容 エルサルバドルの「巨大刑務所」の実態 食事はすべて手づかみ、運動時間は1日30分
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年12月22日 7時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください