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ガザの仮設病院で小児病床を開設 迫る冬、唯一の改善策は停戦

国境なき医師団 / 2024年11月20日 17時5分

ガザのデールバラハにある仮設病院内の様子 © MSF

パレスチナ・ガザ地区での紛争が2023年10月に激化して以降、これまでに死者は少なくとも4万3000人、負傷者は10万2000人に達している(国連人道問題調整事務所、11月5日現在)。さらに、人口の9割にあたる190万人もの人びとが避難を余儀なくされ、うち100万人以上はイスラエルが指定したガザ南部ハンユニスのマワシ地区に追いやられ、劣悪な環境下で暮らしている。

過密した場所では、病気の発症リスクが高まる。しかし、そこに閉じ込められた人びとには、食料や石けんといった生活必需品から、適切な医療をはじめとする必要最低限のサービスまで、あらゆるものが足りていない。

そんな中、国境なき医師団(MSF)は、ガザ中部デールバラハにオープンした2つ目の仮設病院で、2024年10月15日から医療活動を拡大し、小児科の入院治療を始めた。11月4日には新たに18床を設置、ベッド数は合計51床となった。

9月の仮設病院の開設以降、MSFは約1万6740件の外来診療を行い(そのうち36%が呼吸器感染症、22%が皮膚感染症)、10月15日以降で約134人の入院患者を受け入れた。

退院しても再び病気に──悪循環を止めるには停戦しかない

ガザの医療ニーズは膨大だ。子どもたちは避難所の悲惨な生活環境に苦しんでいるが、冬が近づくにつれて、専門的な治療を必要とする人びとがさらに増えることが予想される。患者は退院したら、元の場所に戻らなければならない。そしてまた、環境の悪さから病気になる。この悪循環を止めるには、停戦しかない。 仮設病院の建設は、ガザの人びとの医療ニーズに応える「解決策」ではない。イスラエルによる医療体制破壊に対する、「最後の手段」なのだ。
紛争が始まって以来、10万人もの人びとが負傷しているが、36ある病院のうち、現在、部分的にでも機能しているのは、わずか16にすぎない。

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