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【動画】「ここはもうおまえらの国ではない」—ロヒンギャの人びとが直面する暴力と見えない未来

国境なき医師団 / 2024年12月24日 11時7分

ステファニー・ホフマン / 国境なき医師団 プロジェクト・コーディネーター(当時)

ミャンマー国内で武力衝突が激化するなか、隣国バングラデシュとの国境付近や国内の避難民キャンプ内でもロヒンギャの人びとに対する暴力が悪化している。彼らの直面する現実を、国境なき医師団でプロジェクト・コーディネーターを務めたステファニー・ホフマンが語る。

冒頭の映像は、ミャンマーのラカイン州で撮影されたもので、患者からよく聞く「家が放火された」「襲撃された」という場面です。

実際にこう言われた人もいます。 「どこに行っても構わないがここはもう、おまえらの国ではない。出て行け」と──。 ミャンマーで激化する暴力から逃れるため、ここ数カ月で数千人のロヒンギャ難民がバングラデシュに到着しました。一方でミャンマーに連れ戻されたり、途中で拘束されたりした人もいます。

ラカイン州ではミャンマー軍とアラカン軍が戦闘しており、他にも戦闘している勢力がいます。 ブティドンやマウンドーから逃れた人びとは、双方が激しい暴力を行使していると話しています。 多くの家が略奪や放火に遭い、性暴力や無差別殺人が発生しており、ここ数カ月はドローンによる爆撃も続いています。 2017年8月、ミャンマー軍はロヒンギャの人びとに対する掃討作戦を始めました。これにより、約77万人がバングラデシュへの避難を余儀なくされました。 当時バングラデシュはロヒンギャを歓迎し、人びとは自由に越境し安全な場所に行くことができたましたが、国境は今、完全に閉鎖され公式に越境することはできません。 バングラデシュに逃れた後も、ロヒンギャは武装勢力の暴力に日々さらされています。 コックスバザールの難民キャンプではここ数年、武装勢力の存在感が高まっているのです。

ロヒンギャ危機への資金は2017年以降、減っています。 2024 年にその影響を最も受けたのは、医療と保護の分野でした。 まさに終わりの見えない危機であり、悪化の一途をたどっています。 ロヒンギャの人びとが今ミャンマーに戻れる可能性は、残念ながらないと言わざるを得ません。
そして人びとが生活を続けるため仕事をして家族を養うことも不可能に近いのが、実情です。

キャンプには絶望感と憂鬱感がまん延しています。 希望ある未来が見えないから──。

【特集】ミャンマー、マレーシア、バングラデシュ──活動地からの声

国境なき医師団 日本のスタッフは、2024年の6月から7月、ミャンマー、マレーシア、バングラデシュの活動地を訪問しました。ロヒンギャ問題についてより詳しく知りたい方は、特集をご覧ください。

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