ガザ:遅すぎる停戦──今すぐ援助の拡大を
国境なき医師団 / 2025年1月20日 17時57分
パレスチナ・ガザ地区における停戦が発効した。地域には安堵をもたらしたが、465日あまり続いた戦闘によって約4万6000人の命が奪われた後では遅すぎたと言える。ガザにおける人道的、心理的、医療的ニーズへの対応を進める第一歩として、一時停戦を尊重、継続していかなければならない。 国境なき医師団(MSF)は、イスラエル、ハマス、そしてガザで影響力を持つその他の組織に対して、停戦合意とともに、安全かつ確実な人道援助活動を尊重するよう訴える。
破壊がもたらした痛みと苦しみ
ガザの住民に痛みと苦しみをもたらした戦闘は、家屋や病院、インフラを破壊した。190万人が避難を余儀なくされ、人びとは今も寒空の下で、水や食料、避難所を求めている。一方でイスラエルでは、多くの人びとが、2023年10月7日に人質となった家族や友人の帰還を待ち続けている。 ガザの病院は1年3カ月以上にわたって、攻撃で手足を失った人や、命に関わる重傷を負った人、家族の遺体を探す人びとであふれてきた。医療施設や医療スタッフも攻撃を受け、MSFのスタッフも8人殺害された。また、ガザやヨルダン川西岸地区では多くの人びとが今も不当に拘束されている。
人道援助の大幅な拡大が急務
ガザでMSFは24時間体制で活動を続けているが、ニーズは極めて高く、国際的な人道援助を迅速かつ大幅に拡大する必要がある。MSFはイスラエル当局に対し、ガザへの人道援助、ガザから域外への医療搬送、そして2024年10月から包囲されているガザ北部へのアクセスを、今すぐ認めるよう求める。 また、イスラエル、ハマス、そしてガザで影響力を持つその他の組織に対して、この停戦合意を尊重すると同時に、安全かつ確実な人道援助を尊重するよう訴える。 イスラエル政府、ハマス、そして世界の指導者たちは、もっと早くに停戦を合意・実行しなかったことで、ガザの人びとを失望させた。人びとが生活を再建し、尊厳を取り戻し、命を奪われた人びとに弔いを捧げるには、この停戦がもたらす安堵はまだ十分ではない。
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