米国:トランプ政権による対外援助の凍結は、人道上の大惨事を招く恐れ
国境なき医師団 / 2025年2月7日 17時11分
米国政府による対外援助の凍結と、人道援助の中核システムの突然の解体を受け、国境なき医師団(MSF)米国事務局長、アブリル・ブノワは声明を発表。米国際開発局(USAID)が支援するサービスの損失は、世界で最も弱い立場にある数多くの人びとに影響を与えると訴える。
MSF米国事務局長、アブリル・ブノアの声明
USAIDおよびそのパートナー団体と同じく、多くの危機の現場で活動する医療・人道援助団体として、私たちは米国政府が支援する人道および医療支援が突如停止され、人道援助体制の中核部分が急に解体された場合、世界で最も弱い立場にある何百万人もの人びとに、深刻な人道上の大惨事が起こると認識しています。
苦しむのは、数多くの難民や避難民の人びと、マラリアに脅かされる子どもたち、そしてHIV/エイズや結核の治療を必要とする人びとです。その治療が中断される危険性があるからです。現場の団体からは、活動の停止を余儀なくされ、いつ、あるいは再開できるかどうかもわからないという連絡もすでに受けています。
この最新の報告は、世界で最も医療・人道援助を必要としている人びとに対する援助を危うくするような大規模な変化に、パートナー団体が2週間にわたって取り組もうとしたことを受けたものです。人道援助に対しては、その国や地域への経済制裁などの対象外とするこれまでの仕組みも不十分であり、必要な医療および人道援助プログラムすべてをカバーできるよう拡大する必要があります。
私たちは米国政府に対し、資金凍結に関する命令を撤回するか、もしくは現行の限定的な人道援助に対する免除を拡大し、必要な医療・人道援助プログラムをすべてカバーできるよう、重要な医療・人道援助への資金提供を直ちに再開することを強く求めます。
外国からの支援の大規模な停止と、人道援助に対する免除の制限や不明瞭さも相まって、すでに人命救助に関する医療・人道援助活動への損失や、患者コミュニティへの有害な影響も生じています。先週MSFの医療チームは、これまでUSAIDの支援を受けていた診療所やその他の重要なサービスが予告なく停止されたため、混乱が生じているのを目の当たりにしました。
MSFは米国政府から資金援助を受けていないため、私たちの活動に直接的な影響はありません。しかし、国際支援への資金援助面で米国政府が果たしている重要な役割を、他国がすぐに担うことはできないでしょう。
私たちは、米国政府に対し、その場しのぎの免除制度を中止し、対外援助の優先順位を見直している間も、すべての重要な医療・人道援助活動を継続できるよう要請します。
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