「コーヒーを飲むとがんになる」は本当?

MYLOHAS / 2018年6月11日 7時20分

過去数十年もの間、コーヒーに対しての評価は、政治家の評価よりもころころ変化。1991年、世界保健機関(WHO)はコーヒーを飲んでいると、がんになるリスクが高まることを指摘しました。でも、2016年になると、同じWHOが「コーヒーを飲むとがんになるということに根拠はない」と報告。もっともこの間にわたってコーヒーに関わるニュースの論調はポジティブで、コーヒーを飲みすぎたとしても、健康を害することはなくて、むしろ健康によいというものでした。

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2018年3月、アメリカ・ロサンゼルスで行われた裁判で「カリフォルニアで販売するコーヒー製品には、発がん性を警告するラベルを貼ること」という判決が下りました。なぜなら、コーヒー豆を焙煎する時に出るアクリルアミドという化学物質が、カリフォルニアでは発がん性物質とみなされるからです。ただし、アクリルアミドに発がん性があることは、研究室のネズミでしか確認されていません。

「アクリルアミド類の発がん性は、実験動物において明らか。でも人間ががんになる証拠は見つかっていません」と、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で食事習慣によるがん発症のリスクを研究している、UCLA人間栄養学センター準教授のキャサリン・カーペンターさん。

「動物実験では、ヒトの通常の摂取量よりも最大60倍濃いアクリルアミドを動物に与えます。もしヒトが同じアクリルアミドの濃度になるまでコーヒーを飲んだら、がんになるよりも、もっと大きな問題があるはず」(カーペンターさん)

これでも毎日コーヒーを飲むことに不安がありますか? コーヒーポットのスイッチを入れるべき、5つの研究報告を紹介します。

01. コーヒーを飲むとがんになるリスクが下がる

BMJは最新の研究報告で「コーヒーの成分のなかには1000以上の化合物があり、その多くに抗炎症作用や抗がん性作用がある」と発表しました。ジョンズ・ホプキンス大学で栄養学研究プログラムを監督しているスーザン・オーさん(BMJの研究には不参加)は、「コーヒー豆そのものが抗酸化物質であり、がんになるリスクを下げるのです」と説明。

BMJの研究によると、コーヒーを飲むことで悪性黒色腫や白血病、前立腺や子宮内膜のがんになるリスクが低下。さらに、2017年に南カリフォルニア大学で行われた研究では、コーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて大腸がんになるリスクが26%ダウン。さらに1日に2.5杯以上のコーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて54%も大腸がんになる確率が低くなっていました。

02. コーヒーを飲むと2型糖尿病の予防になる

アメリカ糖尿病学会によると、アメリカでは毎年150万人が糖尿病になり、トータルの患者数は増加の一途。さらに約720万人もの人は、自分が糖尿病であることを知らないままだとか。そこに朗報です。ハーバード大学の研究者によると、カフェインレスコーヒーでも普通のコーヒーでも、コーヒーを飲むと2型糖尿病の予防になるのだそう。さらに糖尿病治療ジャーナルは「コーヒーを飲めば飲むほど2型糖尿病になりにくくなる」と伝えています(でもこれは言いすぎの可能性が。「不眠症、おなかのトラブル、片頭痛を避けるためにも、1日およそ200グラム以上はコーヒーを飲まないように」と、多くの健康の専門家がすすめています)。

オーさんはこれらの研究には参加していませんが、「コーヒーには血糖値の上昇を抑えるインスリンを活性化させるクロムが含まれているからでは」と指摘しています。

03. コーヒーを飲むとアルツハイマー病のリスクが下がる

数十年にわたる研究により、コーヒーを飲むと認知症になるリスクが減ることが分かってきました。コーヒーに多く含まれるカフェインを摂ると、脳が活性化するからです。記憶障害についての研究によると、血中のカフェイン濃度が2~4年にわたって低い人は、濃度が高い人に比べて、認知症になる確率が高いのだそう(おいしいコーヒーをいれたくなりましたか?)。

04. コーヒーを飲むとパーキンソン病のリスクを下げられるかも

パーキンソン病は中枢神経系の病気で、手先の震えを特徴としています(俳優のマイケル・J・フォックスがかかっていると聞いたことがあるかもしれません)。いまでも病気につながる環境的な要因や遺伝的な要因の何が影響してくるのか、科学者は解明に向けて研究を続けています。ですが、本格的な研究の前段階の研究によると、カフェインにこの病気を防ぐ効果があることもわかってきています。2017年に医学雑誌アーカイブズ・オブ・メディカル・サイエンスで発表された文献の総説によると、『コーヒーを適度に読む人はパーキンソン病の割合が低くなるとようだ』と研究者が結論づけています。ただし、その理由については特定に至っていません。

05. コーヒーを飲むと心臓病も防げる

コーヒーを飲むことで、心臓病も予防できるかもしれません。数十年の間、不整脈(突然の心不全や脳卒中のリスクを高める症状)の人はカフェインを控えるように言われてきました。しかし2018年4月に発表された新しい分析結果メタアナリシス(複数の論文を総合的に分析した研究です)によると、コーヒーを飲むことで、不整脈の症状である心房細動の頻度を最大13%下げられるとのこと。

コーヒーのパワーはこれだけではありません。BMJの研究報告によると、コーヒーを飲む人は飲まない人に比べて循環器疾患で死亡する確率が19%低く、脳卒中で死亡する確率は30%も低いのです。

06. コーヒーのおかげで長生きできる

これが最も大事なことですが、コーヒーを飲む人はあらゆる原因で死亡する確率が低くなると証明されています。2016年の医学誌『ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー』誌の研究報告では「一日に4杯のコーヒーを飲む人は、心臓疾患やがんを含む病気による死亡のリスクが下がる」と結論付けています。本当は飲んだ方がよいのかもしれませんね。

Maria Masters/Is Coffee Good for You?

訳/STELLA MEDIX Ltd.

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