職場のハラスメント問題 第3回 モラハラの意味は? 社労士が解説

マイナビニュース / 2019年3月21日 11時0分

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「そんなこともできないの?」「いつも要領が悪いな」「〇〇のくせに」。そんな言葉を家庭や職場、日常生活の中で口にしていませんか? 身に覚えのある方は要注意です。知らず知らずのうちに「モラハラ」をしているかもしれません。

このモラハラ、最近ではニュースや新聞などを通じて、よく耳にしますが、どんなことがモラハラにあたるのかいまいちピンとこない人も多くいるのではないでしょうか? そこで今回は、モラハラの定義や特徴について解説したいと思います。
○モラハラとは

モラハラは、「モラルハラスメント」の略で「言葉や態度などにより人の人格や尊厳を傷つけ精神的苦痛を与える行為」のことをいいます。

具体的には、「無視する」「批判する」「束縛する」「脅す」といった言動により、相手を不安にさせたり、精神的に追い込んだりすることで、家庭内、夫婦間、恋人同士、職場内など、様々な環境において起こるのです。

夫婦間や恋人同士といった関係性では、「束縛」によるモラハラをよく耳にすると思います。例えば、「理由問わず異性と会うことが禁止されている」「他の予定より自分を最優先にする」といった約束ごとを決められているといったことです。

「いつどこで誰と何をするのか1日のスケジュールをあらかじめ報告しなければならない」「1日に何件もメールが入り、逐一状況を知らせなければならない」といった監視されているようなケースもあります。

過度なものであれば、携帯電話の着信履歴やメールの内容、インターネットの検索履歴まで全てチェックされるといったケースもあるのです。

この手のモラハラ加害者は、小心者である一方、プライドが高く、相手に忠誠心を求める傾向にあります。もちろん、自分が間違ったことをしているなんて1ミリも思っていません。自覚なくモラハラ行為に及んでしまっているのです。
○モラハラとパワハラの違い

モラハラとパワハラ、共通点が多くあるため混同してしまうことがありますが、この2つの違いはいったいどんなところなのでしょうか? 相違点について整理してみたいと思います。

パワハラは、職場での地位や優位性など上下関係や力関係を利用して行うものです。それに対し、モラハラは職場の力関係に限らず行われるため、さまざまな関係性や環境において発生します。

また、パワハラのように「怒鳴り散らす」「殴る蹴る」といった目に見えるものばかりでなく、言葉や態度で陰湿に行われることが多く、その行為一つひとつのインパクトも小さいため、モラハラが行われていること自体を周りが気付いていないケースもあります。

場合によっては、被害者ですら、モラハラを受けている自覚がないこともあるのです。ただし、日常的に繰り返されることで、精神的に相当なダメージを受けることになります。
○ハラスメントの種類

モラハラは、パワハラだけでなく他のハラスメントとも混同してしまうことがありますが、現在、30種類以上のハラスメントが存在しているといわれています。

ここ最近では「マタハラ」「パタハラ」も世間に浸透するようになりました。

その他にも、SNS上で行われる嫌がらせ「ソーシャルハラスメント(ソーハラ)」やハラスメント被害を相談したことにより受ける二次被害「セカンドハラスメント(セカハラ)」、飲み会などで飲酒を強要する「アルコールハラスメント(アルハラ)」など、さまざまな種類のハラスメントが登場するようになりました。

このように、次から次へとハラスメントが増える続ける風潮にありますが、何でもかんでもハラスメントになるのかというと、そうではありません。必要な範囲での指導やコミュニケーションであれば、ハラスメントにはならないのです。

ただし、モラハラのように何気ない一言や態度が、相手を傷つけてしまうものについては、相手の受け取り方が考慮されるといったことも忘れてはいけません。

モラハラだといわれないためには、日頃の人間関係やコミュニケーションなかで、相手の立場に立って行動することが重要になります。「言い過ぎではないか?」「相手に不快感を与えていないか?」など、意識することを心掛けましょう。

一昔前までは「亭主関白」「かかあ天下」ですまされていたことが、今ではモラハラになってしまう恐れがありますのでご注意を!!

○筆者プロフィール: 薄井 崇仁

大槻経営労務管理事務所 人事BPO事業部 執行役員。2007年の入所後、大小様々な規模のクライアントの労務相談およびアウトソーシング業務を担当。その後従業員からの問い合わせに直接対応する「社労士ダイレクト」事業部に配属。現職では、執行役員としてクライアントに対し総合的なアウトソーシングサービスを提供しており、人事BPOサービスの開発にも積極的に取り組んでいる。労働環境に様々な変化が起きている現在、企業にとってベストは何かを考えて課題解決へと導く。丁寧なヒアリングをモットーにクライアントのチャレンジを全力でサポートしている。
(薄井 崇仁)

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