声優・松井恵理子が語る「irouta」、そして楽曲・ラジオ・声優活動への想い

マイナビニュース / 2019年6月25日 17時0分

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●実は仕切るとかまとめるとか苦手だったんです
様々なアニメ・ゲーム作品のキャラクターの声を担当する声優・松井恵理子。一方で、2017年1月にはアルバム『にじようび。』をリリース、さらにはソロラジオをはじめ、様々なラジオのパーソナリティーも務めるなど幅広く活躍をしている。そんな彼女が、自身のソロ名義番組『松井恵理子のにじらじっ!』のテーマソングCD「irouta」をリリースした。

今回は番組テーマソングの発売を記念し、松井にインタビューを実施。歌唱に至った経緯や、2年以上続くソロラジオ、また、自身の根幹だという声優活動についてお話を聞いた。
○■自分の中の今までの経験を元に誰かの背中を押したい

――松井さんに作品絡みでないインタビューをするのは、アルバム『にじようび。』のリリース以来になります。

その節はお世話になりました(笑)。

――こちらこそ心に沁みる言葉の数々、ありがとうございました! 今回、番組テーマソングとなる「irouta」はどういった経緯で制作することとなったのでしょうか?

私は歌で表現することが好きなのですが、『にじようび。』がひとつ完結した作品になったなという気持ちがありました。だから、積極的に次、次という感じでリリースはせず、焦らずじっくりでいいかな、という想いでいました。ただ、『にじらじっ!』のリスナーさんから様々なメールをいただくなか、私自身の歌も聴いてみたいという意見や応援をいただくこともあって。もう2年以上も『にじらじっ!』を続けてこられたのはそうやって応援してくださるリスナーさんのおかげなんです。だから恩返しじゃないですけども、みんなで盛り上がるようなことができないかなと思って、テーマソングを作るということを考えるようになりました。

――リスナーのみなさんの想いからテーマソングを制作するという発想に至ったんですね。

そうですね。生放送ならリアルタイムでコメントを読むこともできますが、収録のラジオってどうしてもタイムラグがあるので、一方通行になりがちなんです。だから、曲作りを一からやるということで、みんなで『にじらじっ!』を育てているという感じが出せたらいいな、「みんなで楽しいことをやろうぜ!」という企画になればいいなとも思ったんですよね。

――なるほど。

制作するうえでは、うちの事務所に曲を作れる馬渕由妃ちゃんという仲の良い女の子がいるので、その子の力を借りました。『にじようび。』のときはあまり提案せず、自然と自分が生きてきた中にあったものに近い曲が集まってきましたが、今回は「こういう感じがいい!」という提案をたくさんさせていただきました。歌詞も激論に次ぐ激論(笑)。深夜に馬渕由妃ちゃんとLINEでああでもない、こうでもないとやりとりをして出来上がりました。だから、『にじようび。』のときとは違った曲に仕上がったと感じております。

――『にじようび。』のときも作詞されていましたが、それとは違う熱が入った?

そうですね。『にじようび。』に収録されていた「声」という曲は声優という職業に対する自分の気持ちを歌にして、「ユメキセツ」という曲はファンタジーというか物語チックな歌詞を書きました。今思えばどちらの曲も自己完結感が強かったかもしれません。ただ、「irouta」は自分の中の今までの経験を元に誰かの背中を押したい、聞いてくださっている人に届けたいという気持ちのほうが強かった。みなさんに届いて欲しいという想いは『にじようび。』のとき以上かもしれません。

――そんな届けたいという想いがこもったテーマソング。レコーディングはいかがでしたか?

キャラクターではなく松井恵理子として歌うとなると、何が正解か、どれが一番いい形なのかすぐには見えず何だか不思議な感じではありましたが、収録自体はそんなに手こずらず、スムーズに進みましたね。むしろ普段のキャラクターソングのお仕事のほうが何テイクも重ねるくらいでした。今回は通常時の私というよりは叫んでいる私という感じです。歌詞にも「叫べ」という箇所があるのですが、がむしゃらさみたいなのが曲に乗るといいなと思いながら歌わせていただきました。

――レコーディングでは馬渕さんもご一緒でしたか?

一緒でした。色々と指導していただきました(笑)。

――指導(笑)。例えばどのようなことを?

疾走感がテーマの曲なので、息のスピードを速くして、呼吸感を大事にしようという話をしました。

――確かに、ラジオの内容的にはもっと癒やし系の曲になるのかなと思っていたのですが、疾走感のあるカッコいい曲ですよね。

私がこういうのが好きなんですよね(笑)。番組のカラーでいうとおっしゃる通り、ミディアムテンポのゆるっとしたものになると思うのですが、ラジオのコンセプトが“色々な色が見える”であるのをいいことに、やりたい放題やっちゃおうかとなったんです。「こういう曲にするの?」というリスナーさんも中にはいらっしゃったかと思いますが、わりと聞いてくださる方が楽しんでくださっている感があるので、一安心しています。
○■転機のひとつは「未確認で進行形」のラジオ

――先ほどラジオのコンセプトのお話がありましたが、ラジオの放送も100回を優に超えましたね。

ありがたいですね。最初はそれこそ『にじようび。』の宣伝を兼ねて始まったラジオだったので、まさかこんなに長く続くとは思ってもいませんでした。歌を定期的にリリースしていなくても続けられているというのは、リスナーの皆様や支えてくださっているスタッフさんのお力のおかげだと思っています。

――思い返してみると、『にじらじっ!』が松井さんにとって初のソロでの冠ラジオ番組だったんですよね。

基本的に作品の括りだったり、仲良しの子と何人かでやったりというラジオが圧倒的に多かったので、ソロっていうのはあまりなかったですね。

――ソロでのラジオをスタートした当時と今で変わったと思うところはありますか?

いい意味で変わっていない。基本的には一人で喋るときってしっかりしなきゃ、という気持ちになると思うんですけど、私は最初からそういう気持ちがあんまりなくて。ひょっとしたら、デビューのときから仕切り役やまとめ役、司会進行役をやらせていただくことが多かったので、最初から落ち着いてできたのかもしれません。

――松井さんは進行役やまとめる役を務めることが多いですよね! そして聞いている側も松井さんがいれば安心します(笑)。

でも、実は仕切るとかまとめるとか苦手だったんですよ! 専門学校のときはどちらかというとにぎやかし担当。もっとしっかりした子が進めて私がかき乱すという感じでした。

――仕切り役をやったことはあまりなかったんですね。

必要に迫られないとやらなかったです。だからみなさんに「仕切れるよね」って言われると自分としてはギャップを感じるんですよね。ありがたいお言葉ではあるのですが、実際の私は抜けているところもあるので、「そうでもないんだよなぁ」と思っちゃいます(笑)。

――私としては『未確認で進行形~うまく言えないのでラジオで確認してください~』でご一緒していた照井春佳さん、吉田有里さんがすごくいい意味で個性が強烈で、それをまとめている松井さんという構図が見事だった記憶があります。

あのふたりと共演したときは、私なんぞは普通の人間で、上には上がいるなと思ったし、誰かが軌道修正しないと、これは番組が成立しないと思ったんですよね(笑)。それが今となってはいいバランスだったと思っています。あれがあったからこそ、色々なところで司会やパーソナリティーを任せていただける機会が増えたので、とても貴重な経験でした。ただ、一人でのラジオとなると各段に自由度が上がるので、自分自身でどういう話をするかによって方向性が決まってしまう。そういう意味では作りこんだり、凝りすぎたりしてしまうと長くは続かないだろうなと思っていました。

――ここまで続いているということは、いい意味でリラックスしてできている。

リスナーのみなさんにも助けていただきながら、自分の話したいこと、好きなことを話せています。私のなかではとても居心地のいい番組ですね。

●奇跡みたいなこと
○■「声優ができないんだったら何もできません」

――そうやって続けていたら、アニラジアワードで「BEST SOLO RADIO賞 ひとりラジオ賞」を受賞されましたね!

こういった賞をいただけるなんて夢にも思っていませんでした。「ひとりラジオ賞」は今年から開設された部門なんですけども、これまでだと私のラジオってあんまり該当するような部門がなくて。「じゃあ癒やしラジオ賞とか狙ってみる?」ということで癒やしのコーナーなんか作って「癒やしラジオだぞっ!」と言い続けてきたくらいです。

――「BEST COMFORT RADIO 癒やしラジオ賞」にも例年ノミネートされています(笑)。

そんなに癒やしのラジオでもないんですけど(笑)。正直、『にじらじっ!』はもう自分の生活の一部みたいなものになっているので、賞とかにこだわらずみんなと楽しくやっていけたらいいなと思っていました。そしたら、「ひとりラジオ賞」ができて、「あれ、本来、私の部門ってこれだったんじゃない(笑)?」と思っていたら、みなさんがその気持ちを汲んでくださってこの賞をいただけました。ありがたい限りですね。

――さすがです。本当におめでとうございます。

ありがとうございます!

――ラジオでいえば先日、公開録音のイベントも地元で開催されました。

愛知県・蒲郡市でやらせていただくのが今年で二回目だったんですけども、今回は昼・夜公演でしかもゲストの方にも来ていただきました。誕生日に併せてイベントを行ったので、自分の地元に仲の良い子を呼びつけてプレゼントをもらって祝わせるという感じになってしまい、心苦しかったです。ゲストさんなのに祝わせてごめん(笑)。ただ、自分の生まれ育った場所に仕事をしてから出会った気心の知れた方々が来てくれたのは嬉しかったですし、応援してくださるみなさんに「松井はこういうところで育ったんだな」というのを肌で感じてもらえたのも嬉しかったです。

――なるほど。

あとは蒲郡の方々が、私が地元でイベントをするということを調べて下さって、わざわざ私のグッズを取り寄せて、キヨスクさんとかで販売してくださったんですよ。私から「こういうことをしたい」と言ったわけでもないのに、自然と察してくださって応援してくれるというのがなんとも言えない喜びでしたし、私は恵まれているなとも思いました。声優という仕事をしていたから、こういったことにも巡り合えた。奇跡みたいなことですよ。

――前回のインタビューでもそうでしたが、松井さんの言葉の節々から声優という仕事を大切にされているということが伝わってきます。

事務所に入ったとき、社長さん・マネージャーさんと方向性の面談をしたんです。その面談で「君は何をしたいの」と尋ねられたのですが、私は「声優がやりたいので、声優をやるためなら何でもやります。ただ、声優ができないんだったら何もできません」と言いました。今考えると、めちゃくちゃ生意気ですよね。もちろん舞台での芝居も奥が深くて面白いですし、歌という表現もすごく楽しいのですが、それでも、そのすべてが声優に帰結しないと自分を見失う。それは声優を目指しているときから思っていたんです。本当に生意気な話ではありますが、その想いがあったからこそ、色々なキャラクターや作品、また色々な方々と出会えたと思うと、それも悪くはなかったんじゃないかなと思います。
○■みなさんが書き込んでください

――その想いがあったからこそ、アーティストデビューも、ラジオのパーソナリティーもできているのかもしれません。

そうかもしれません。

――そんな声優として誇りを持っていらっしゃる松井さんらしい「松井恵理子のにじらじっ!2019IROIRO卓上カレンダー」も現在、音martにて販売中です。

『にじようび。』も「irouta」もそうなのですが、自分の人生のなかに色々な色があるといいなというのがコンセプトなので、卓上カレンダーも衣装は全部違う色にしてもらい、色の順番から何から無理を聞いていただきました。また、自分が兼ねてからやりたかった、演じたキャラクターの誕生日をカレンダーに入れてもらうということも実現しました。色々な事情があるなか名前を載せてもいいよと快諾していただいた各社様には感謝しかないですし、確認作業に膨大な時間をかけてくださった番組スタッフの皆様にもありがとうとお伝えしたいです。手に取った方がこのカレンダーを見て、このキャラクター好きだったなとか、こういうキャラクターも演じているんだと思っていただけたら、嬉しい気持ちになりますね。

――キャラクターへの愛が深くて感動しました。

キャラクターのなかには誕生日が公開されていない子もいるし、色々な兼ね合いで載せられていない子もいるのですが、そういうときはみなさんが書き込んでください!

――カレンダーなら書き加えられますもんね。

そうです。私以外の好きなキャラクターを書いていただいても構いません(笑)。これでキャラクターの誕生日もわかるぞ、っていうカレンダーにしてもらえれば嬉しいです。

――本日は色々とお話しいただきありがとうございました。最後に改めてラジオ、そしてテーマソングの聴きどころなどメッセージをお願いします。

普段の『にじらじっ!』を一度でも聴いたことがある方は分かると思いますが、めちゃくちゃギャップのあるテーマソングに仕上がりました。ラジオはいつもローテーションから入るのですが、そこからいきなりカッコいいサウンドが流れるという、面白いギャップが生まれています。馬渕由妃ちゃんとこだわって作った曲なので、多くの方に聞いていただけたら嬉しいですね。

――テーマソングからラジオを聴くという方もいらっしゃるかもしれません。

テーマソングとラジオの内容の温度差にビックリすると思いますよ(笑)。ただ、先ほども言いましたが、『にじらじっ!』は色々な色がテーマなので、今回のようなテーマソング作成という試みがこれからもできればと思っています。応援していただければその可能性は広がりますので、ぜひよろしくお願いします!
○●「松井恵理子のにじらじっ!」テーマソングCD「irouta」

価格:1,200円(税抜)
・収録曲
1.irouta
2.irouta(Instrumental)
3.Bonus track1
4.Bonus track2
(M.TOKU )

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