オリンピックの33競技を専門家が解説! 親子で楽しむ「東京2020」 第7回 フェンシング

マイナビニュース / 2019年8月22日 11時47分

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東京2020はさまざまなスポーツをお子さんとともに楽しめるまたとないチャンスです。そこで、子どもの運動能力向上に詳しいスポーツトレーナー・遠山健太が各競技に精通した専門家とともにナビゲート! 全33競技の特徴や魅力を知って、今から東京2020を楽しみましょう。今回は「フェンシング」! 競技解説はフェンシング日本代表の強化や発掘・育成に携わってきた林川晴俊さんです。

○フェンシングの特徴

フェンシングはオリンピックにおいては、第1回アテネ大会から正式採用されている歴史ある競技。ピストと呼ばれる14mの細長いパネルの上で、2人の選手が向かい合い、片手に持った剣でお互いの「有効面」(得点となるターゲット範囲のこと)を攻撃し合います。フルーレ、エペ、サーブルの3種目に分かれ、それぞれ使用する剣の形状や、「有効面」、「優先権」の有無などが異なっています。

フルーレは「優先権」を尊重する種目。剣を持って向かい合った両選手のうち、先に腕を伸ばし剣先を相手に向けたほうに「優先権」が生じます。相手がその剣を払ったりたたいたりして向けられた剣先をそらせる、間合いを切って逃げ切るなどすると、「優先権」が消滅し、逆に相手が「優先権」(反撃の権利)を得ることになります。このように、攻撃→防御→反撃→再反撃といった瞬時の技と動作の応酬(剣のやりとり)がこの種目の見どころ。有効面は両腕、頭部を除いた胴体(背中含む)です。

エペの基本ルールは単純明快。全身すべてが有効面で、先に突いたほうにポイントが入り、両者同時に突いた場合は双方のポイントに。ランプの点灯に注目していればどちらの選手がポイントを挙げたか判断できるので、最もわかりやすい種目です。スピーディかつ変化に富んだ試合展開が魅力です。

サーブルはハンガリー騎兵隊の剣技から競技化した種目。フルーレとエペが「突き」だけなのに対し、サーブルは「斬り」(カット)も加わります。ルールはフルーレと同様「優先権」に基づいていますが、「斬り」の技が加わる分、よりダイナミックな攻防が見られます。上半身が有効面です。
○フェンシングを観戦するときのポイント

フェンシングの魅力は、スピーディーな技や動作の応酬にあります。相手の剣を払う、逆に相手に剣を払われないよう避けながら突きにいく、剣をしならせて相手の背中を突く、瞬時に間合いを詰めるなど精密で華麗なテクニックが見どころです。また、「フィジカル・チェス」という別名があるとおり、心理戦・頭脳戦といった要素の駆け引きにも注目!
周囲の照明が落とされ、スポットライトに照らされたピスト上で繰り広げられる攻防は幻想的であり、一瞬で勝負が決まる緊張感にも満ちています。フルーレとサーブルには得点に必要な「優先権」があり、どちらの選手に「優先権」があったかは審判員が判定を行います。そのため選手は「優先権」を得るための動作や駆け引きを行うため、審判員とのやり取りと併せて見どころとなります。
○東京2020でのチームジャパンの展望

北京オリンピックの男子フルーレ個人で太田雄貴選手(現日本フェンシング協会会長)が獲得した銀メダルが日本が初めてオリンピックで獲得したメダルです。近年、日本フェンシング協会による育成・強化策が功を奏し、その実力は世界トップクラスに! 特に男子エペは、見延和靖選手が2018-2019シーズン世界ランキングの年間世界1位という快挙を成し遂げました。それ以外にも、世界ランキング5位の加納虹輝選手、2019年アジア選手権を制した山田優選手、世界選手権で見延選手を倒した宇山賢選手など実力者揃いで、個人戦だけでなく団体戦も含めてメダル獲得が期待できます。

女子フルーレは、17歳ながらシニアの舞台で活躍している上野優佳選手に注目です。2018年世界ジュニア(20歳以下)、カデ(17歳以下)選手権で日本人初の両部門制覇、ユース五輪も制し3冠を達成! 団体戦も2018年アジア大会、2019年アジア選手権で金メダルを獲得しています。

もちろん、いち早く世界で活躍してきた男子フルーレも東京2020に向けて好調! 2017年世界選手権、2019年アジア選手権で西藤俊哉選手と敷根崇裕選手がメダルを獲得、団体戦では10年ぶりにアジアの頂点に返り咲きました。

女子エペでは、リオデジャネイロ五輪で8位入賞し、「ママさんフェンサー」として注目を集めた佐藤希望選手が、第2子の出産を経て3度目のオリンピック出場を目指しています。
※世界ランキングは2019年8月8日現在
○遠山健太からの運動子育てアドバイス

私はロールプレイングゲームから剣術に興味を持ち、中学校3年間は剣道部に在籍。当時、西洋流剣術のフェンシングの存在は知っていましたが、大人になり実際に試合を見てみると、剣道とは似て非なる競技だなと感じました。チームジャパンの競技力が高くなってきたことから、最近では体験できるところも増えてきたように思います。日本フェンシング協会のHPに体験会や練習場の紹介があるので、興味ある人は調べてみるといいでしょう。

○競技解説:林川晴俊
日本フェンシング協会の強化委員として日本代表選手の強化や育成委員として発掘・育成事業に携わってきた後、主に小中学生の指導を中心に行い、全国大会優勝者、世代別日本代表選手を育てる。現在は「フェンシングの家庭教師」として活動しながら、愛知県フェンシング協会ジュニア担当コーチも務めている。

○ナビゲーター:遠山 健太

リトルアスリートクラブ代表。トップアスリートのトレーニングに携わる一方で、ジュニアアスリートの発掘・育成や、子どもの運動教室「リトルアスリートクラブ」のプログラム開発・運営など、子どもの運動能力を育むことに熱心に取り組む。自身、2児の父であり、子どもとともにめぐった公園での運動や子育て経験を生かし、パークマイスター(公園遊びに詳しく、子どもの発育を考えて指導ができるスポーツトレーナー)としても活動している。著書は『スポーツ子育て論』(アスキー新書)、『運動できる子、できない子は6歳までに決まる!』(PHP研究所)、『ママだからできる運動神経がどんどんよくなる子育ての本』(学研プラス)など多数。
(遠山健太)

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