AGCとNTTドコモ、メタサーフェス技術により窓ガラスの電波レンズ化に成功

マイナビニュース / 2021年1月28日 11時8分

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AGCとNTTドコモ(ドコモ)は、第5世代移動通信方式の高度化(5G evolution)と第6世代移動通信方式(6G)に向けて、メタサーフェス技術によりミリ波帯(28GHz帯)の電波を屋外から屋内に効率的に誘導する「メタサーフェスレンズ」のプロトタイプを開発し、窓ガラスを通るミリ波を屋内の特定の場所に集め、屋内での受信電力を向上させる実証実験に成功した事を発表した。

メタサーフェスとは、波長に対して小さい構造体を周期配置して任意の誘電率・透磁率を実現する人工媒質(メタマテリアル)の一種で、構造体の周期配置を2次元としたジオン公表面のこと。今回開発された28GHz帯向けメタサーフェスレンズは、ドコモのメタサーフェス設計技術とAGCのガラス電波透過構造設計技術・微細加工技術により実現され、メタサーフェス基板上の小さな素子に複数の形状を持たせ、適切に配置することで窓ガラスを通るミリ波を屋内の特定の場所(焦点)に集めることができる仕組みを実現したという。

5G evolutionや6Gでの利用が想定される高い周波数帯の電波は、直進性が高く、減衰しやすいという特徴があるため、屋外基地局アンテナから発信された電波は建物の窓ガラスに到達するまでに減衰し、さらに減衰した微弱な電波は広がることなく屋内に入り込むため、屋外基地局アンテナによる建物のエリア化が困難であったが、メタサーフェスレンズによって窓ガラス全面を通る微弱な電波を焦点に集めることで電力を高め、焦点位置にリピーターやリフレクター等のエリア改善ツールを置くことで、屋外の基地局アンテナによる建物内のエリア化が実現できるようになるという。

また、フィルム形状のため、屋内側から窓ガラスに貼り付け、屋外基地局アンテナからの電波を屋内に簡単に引き込むことが可能で、LTEやsub-6帯などの他の周波数に影響を与えないように設計されているため、他の帯域と並行してミリ波のエリア改善が可能となるとしている。

実証実験では、メタサーフェスレンズによって窓ガラスを通るミリ波を屋内の焦点に集めることで、屋内での受信電力が向上することを確認。加えて、AGCのガラス電波透過構造設計技術により、遮熱機能を持ったガラスとメタサーフェスレンズとを組み合わせることにより、本来は電波を通さない遮熱ガラスでも屋内でのミリ波の受信電力を向上できることを実証したという。

同実証実験で使用したメタサーフェスレンズは、2月4日から2月7日までオンラインで開催されるドコモのイベント「docomo Open House 2021」で展示予定だとしており、両社は引き続き5G evolutionや6Gの効率的かつ柔軟なエリア構築手法の確立をめざし研究・開発に取り組むとしている。
(和根﨑友梨子)

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