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高級オーディオの音作りが光る、B&W完全ワイヤレス「PI7/PI5」レビュー

マイナビニュース / 2021年9月26日 17時25分

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画像提供:マイナビニュース

スピーカーやヘッドホンなどハイグレードクラスのオーディオ製品をメインに展開する英B&W(Bowers & Wilkins)から、完全ワイヤレスイヤホン「PI7」と「PI5」が発売された。

同ブランド初の完全ワイヤレスイヤホンとなるPI7・PI5だが、B&Wらしい音質への徹底したこだわりはもちろんのこと、機能面、デザイン面においても特徴的な製品に仕上がっているのが興味深い。詳細は過去記事を参考にしていただきたい。
PI7・PI5の特徴をざっくりチェック

PI7とPI5の特徴を箇条書きにしてみると、以下のようになる。
PI7の主な特徴

独自カスタムの9.2mm径ダイナミック型ドライバーとBAドライバーの2ウェイ・バイアンプシステムを搭載
SBC/AAC/aptX/aptX HD/aptX LL(Low Latency)/aptX Adaptiveと多彩なBluetoothコーデックに対応
左右イヤホン間はNFMI(Near-field Magnetic Induction)通信を採用
付属の充電ケースにBluetoothトランスミッター機能を搭載
連続再生時間は4時間(充電ケースのバッテリー持続時間は16時間)
(実売44,000円前後)

PI5の主な特徴

独自カスタムの9.2mm径ダイナミック型ドライバーを搭載
SBC/AAC/aptXの各コーデックに対応
TWS+(True Wireless Stereo Plus)対応
連続再生時間は4.5時間(充電ケースのバッテリー持続時間は20時間)
(実売27,280円前後)

PI7・PI5の共通の特徴

アクティブノイズキャンセリング(ANC)搭載
アンビエントパススルー(外音取り込み)搭載
IP54の防塵防滴対応
装着検出センサー採用
充電ケースはワイヤレス充電対応

バッテリー持ちが(イマドキの製品のなかでは)やや短い印象だが、それ以外は最新モデルにふさわしい、充実した機能性と耐久性を持ち合わせている。

特にPI7は、ハイブリッドドライバー構成や、aptX Adaptiveを含むほぼすべてのaptX系コーデックへの対応、充電ケースのBluetoothトランスミッター機能など、特徴的な機能がいくつもある。はたして、実際の使い勝手はいかがなものだろうか。また、ハイエンドスピーカー「800 Series Diamond」を手がけたチームが担当したというサウンドの仕上がりも、おおいに気になるところだ。

ということで、今回はPI7とPI5の2機種ともにお借りし、サウンドはもちろんのこと各種機能についてもさまざまな視点からチェックしてみた。

取り出しやすいユニークなデザイン

まずはPI7から。

充電ケースはPI7とPI5でほぼ同じデザイン。PI7用のみ、後述するBluetoothトランスミッター機能を使用するときのボタンが用意されているが、それ以外は変わらない。決して小さくはないが、奥行きが細めになっている(かつ下方に向かってほんのわずかに絞り込まれている)ため、持ち運びやすい。

ケースは底面が丸みを帯びているため自立しないが、ワイヤレス充電時も寝かして行うため、それほど気にはならなかった。

ケースからイヤホンの取り出しがスムーズに行える点もうれしい。PI7はフェイスプレート部に高さ6mmほどの円柱が付いているのだが、これのおかげで、ケースから楽々と取り出すことができる。完全ワイヤレスイヤホンは、充電ケースから取り出すときに落としてしまうことが多いため、この取り出しやすさは好印象だった。

イヤホン本体の装着感も良好で、イヤーモニター風のデザインによる遮音性の高さも合わせて、カタチの格好良さだけではない、機能性も充分兼ね備えた絶妙なデザインといえるだろう。

ボーカル表現が魅力のPI7

PI7をXiaomi(シャオミ)のスマートフォン「Mi 11 Lite 5G」と接続してみる。コーデックはaptX adaptiveが自動選択されたが、サンプルレートは残念ながら48kHz止まりだった(Mi 11 Lite 5Gはクアルコムのスマホ向けチップセット「Snapdragon 780G」を採用しており、最高96kHzのaptX adaptiveをサポートする)。

ペアリングモードは充電ケース内の左右イヤホンの間にあるボタンを1.5秒ほど長押しするだけでスタートする(ケースのLEDがブルーの点滅になる)ので、とても簡単だ。また、スマートフォン用アプリ「Bowers & Wilkins Headphones」を使用することで、ノイズキャンセリングのオン/オフや外音取り込みの程度調整、装着センサーのオン/オフ、バッテリー残量の確認などが行える。なかなかに便利なので、おおいに活用したい。

さて、肝心のサウンドはというと、普段よりエコー成分を強めに感じるほど情報量が多く、かつ耳あたりの柔らかいサウンドにもかかわらず、女性ボーカルやピアノの音は凜とした伸びやかさをあわせ持っているという、絶妙なチューニングにまとめ上げられている。おかけで、クラシックやサントラなどは壮大なスケール感の演奏が楽しめるし、女性ボーカルも普段よりものびのびとした表現の印象的な歌声を聴かせてくれる。

特にボーカルは、サラ・オレインやLiSA、fhánaなどのハイトーンボイスから、大原ゆい子や早見沙織などの癒やし系、はてはニルヴァーナや米津玄師などの男性ボーカルまで、幅広い音域で魅力的な歌声を聴かせてくれた。唯一、コンプ強めのJ-POPはベストな相性とはいかなかった(ドンシャリ傾向が際立ってしまう)ので、こういった曲をよく聴く人はプレーヤーアプリなどでイコライザー調整してほしい。総じて、まっとうなバランス、まっとうな音色、まっとうな表現の、リファレンスとして1台手元に置きたくなるサウンドだった。

充電ケースを使ったBluetoothトランスミッター機能を試してみたが、こちらは便利機能の範ちゅうであり、Bluetooth非搭載の機器をワイヤレス化できる、別のBluetoothヘッドホンなどもこちらを利用できるというメリットはあるものの、それ以上の特徴は感じられなかった。唯一、aptX adaptiveコーデック非対応の製品に対しては音質的な向上が感じられたが、DA/ADの変換工程がひと往復増えるため、超高級プレーヤーとの組み合わせでないと音質の向上はさほど実感できなかった。

低遅延のaptX LLコーデックも試してみたが、こちらもいままでの経験どおり、FPS(First Person Shooting)などのスマホゲームをするときは圧倒的にaptX LLのほうがよいものの、(aptXの遅延がかなり大きいため)リズムゲーム系で利用するには厳しい。わずかな遅延まで気になるのなら有線を選ぶしかない、という現状のままだった。

モニターライクな音色のPI5

続いて、PI5をスマホに接続してみた。PI7とはアプリの表示内容が一部異なっており、外音取り込みは「低い」と「詳細」の2パターンから選ぶかたちとなり、バッテリー残量もイヤホン本体のみでケースの状態は表示されない。

ドライバー構成の違いによるものか、サウンドキャラクターはPI7と多少異なっている。耳あたりのよい上質なサウンドだったPI7に対して、PI5はダイレクト感の高いパワフルなサウンドに変化。どちらかというと、同ブランドのモニタースピーカーに近い音色傾向だ。キレのよさも際立っていて、スネアやエレキベースの音がとても目立つ。おかげで、ハードロック系はグルーブ感あふれるサウンドが楽しめる。

いっぽうで、女性ボーカルは一段と距離感が近づいたためか、それぞれのキャラクターが際立つ歌声を楽しませてくれる。PI7では(声の)表情が乏しく平坦な歌い方に思えた上田麗奈が、PI5では本来の魅力をたっぷりと感じさせてくれるようになった。

このように、PI7とPI5はどちらもB&Wならではの良サウンドを持ち合わせているものの、サウンドキャラクターが異なっているため、機能面よりも音質の好みで選ぶのがよさそうだ。ぜひ、両方のサウンドをチェックしてみて欲しい。

野村ケンジ のむらけんじ ポータブルオーディオやホームオーディオなどのAV機器をメインに、専門誌やモノ誌、WEB媒体などで幅広く活躍。特にヘッドホン&イヤホンに関しては、年間300以上の製品を10年以上にわたって試聴し続けるなど、深い造詣を持つ。また、TBSテレビ「開運音楽堂」やレインボータウンFM「みケらじ!」にレギュラー出演するなど、幅広いメディアでの活動を行っている。 この著者の記事一覧はこちら
(野村ケンジ)

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