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日立、生成AIに3000億円投資‐小島社長「ソフトウェア開発の生産性を上げる」

マイナビニュース / 2024年4月26日 18時43分

画像提供:マイナビニュース

日立製作所(日立)の小島啓二社長は4月26日、同日の中期経営計画進捗説明会にて、2024年度中に生成AI(人工知能)へ3000億円投資する計画を明らかにした。データセンターへの投資に加え、生成AI関連企業のM&A(合併・買収)を進める方針。小島氏は「生成AIの出現や市場の変化で、新たな成長機会が生まれている。生成AIを積極的に活用することで、ソフトウェアの生産性、フロントラインワーカーの生産性向上を目指す」と語った。

日立は3月19日、米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)と協業すると発表した。エヌビディアの生成AIに関するノウハウを、日立のエネルギーやモビリティといったOT(制御・運用技術)領域や、デジタルソリューションに組み合わせる。今後、日立のストレージ上に構築されたAIの統合ソリューション「Hitachi iQ」の開発に投資する考え。

約1兆円で買収した米IT企業GlobalLogic(グローバルロジック)の生成AI活用にも力を注ぐ。AIを活用することで、ソフトウェア開発における要件定義や設計、テスト工程で作業効率を向上させる。またヒューマンエラーの削減やソフトウェアの品質向上にもつなげ、「エンジニア不足の解消を目指す」(小島氏)とのことだ。

加えて、生成AIとロボティクスを掛け合わせることで、現場業務を行うフロントラインワーカーの生産性も向上させる。鉄道や原子力プラントなどで活用できるメタバース技術の開発にも投資するとのこと。

日立は、生成AIに加え、次世代の半導体やバッテリーの製造、エネルギーや鉄道などの社会インフラ事業のサービス化といった領域にも成長投資を行う。2024年度中に合計1兆円を投じる計画で、「個別事業の強化に加え、新たな成長機会を獲得していく。成長投資を拡大しさらなるキャッシュを創出していく」(小島氏)とのことだ。

日立が同日発表した2024年3月期の連結決算(国際会計基準)は、売上高に当たる売上収益は前期比11%減の9兆7287億円、調整後営業利益が1%減の7558億円、純利益が9%減の5899億円と、3期ぶりの減収、4期ぶりの最終減益となった。ただ、これは自動車部品の日立Astemo(アステモ)が連結対象から外れた影響が大きい。

同社が中核と位置付ける「IT(デジタルシステム&サービス)」、「環境(グリーンエナジー&モビリティ)」、「産業(コネクティブインダストリーズ)」の3事業は好調だった。日立アステモを除く3部門の売上収益は12%増の8兆5643億円、調整後EBITAは20%増の8674億円だった。

稼ぎ頭はDX支援事業の「Lumada(ルマーダ)」だ。ルマーダ事業が全体の売上収益に占める割合は27%と4分の1以上。日本の次期中央宮殿指令所のシステムや、欧州の鉄道システム、サウジアラビアのスマートシティ構築戦略といったさまざまなにプロジェクトにルマーダが採用されているという。小島氏は「収益性の高いルマーダ事業が日立全体の利益の成長をけん引している」と説明した。

2025年3月期通期については、売上高が前期比7%減の9兆円、純利益が2%増の6000億円になる見通し。2024年度第1四半期に仏Thales(タレス社)の鉄道信号関連事業の買収(約2150億円)が完了する予定とのことだ。
(早川竜太)

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