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産学連携が進化させるSTEAM教育のかたち(後編) - 教育機関から見た連携の価値

マイナビニュース / 2024年5月24日 16時22分

画像提供:マイナビニュース

●2つの教育トレンドに価値を発揮する企業連携授業
医療用内視鏡メーカーとして世界トップのシェアを誇るオリンパスは、小学生から高校生までの年代に向けた「次世代教育支援」の取り組みを推進しており、教育機関との連携のもと、特別教育プログラムを提供している。

最初は地元高校との協力により連携授業を展開していた同社は、2021年度からは東京都教育庁とも連携し、さまざまな都立高校で“内視鏡授業”を実施。日常的な学校生活では得られない学びの機会を創出している。

では、企業と教育機関が連携することによる価値はどのようにして生まれているのか。そして、教育庁はどういった取り組みを進めているのか。内視鏡授業を実施した都立富士高校の様子に迫った前編に続き、後編の今回は、教育庁 都立学校教育部 教育改革推進担当課長(2023年11月29日取材当時)の横田雅博氏へのインタビューを通じて、次世代育成に携わる教育機関から見た企業連携の価値について考える。

○次世代人材の育成に向け注目される2つの教育トレンド

近年の教育現場でトレンドとなっている“STEAM教育”は、科学(Science)・技術(Technology)・工学(Engineering)・芸術(Arts)・数学(Mathematics)の5領域を対象とした教育理念。技術革新が急速化する現代で活躍する人材を育てるため、プログラミング教育をはじめとするさまざまな学習が推進されている。

横田氏によると、教育庁としてはこれまで10年以上にわたって理系教育を重視してきたとのこと。その発端には、都立高校の中で理系の進路を選択する生徒が少なかったことがあるといい、「ITに限らず、ものづくりやインフラを支える、あるいは先端技術の開発に関しては、理系人材の力が不可欠」であることから、理系教育にも力を入れてきたとする。

また、別の角度から教育現場で関心が高まっているのが、生徒の“キャリア教育”だ。高校生としての時期をただ漫然と過ごすのではなく、将来の姿を想像しながら必要な学びを得ようとすることで、より意欲的な時期にすることを目指したこの教育方針について、横田氏は「それぞれの発達段階に応じてできることはさまざま」としたうえで、特に高校生の年代については「卒業と社会がすぐにつながる時期であるため、それを意識した状態で学習に臨んでもらえるようにするのが教育を行う側の役目」と語る。
○いま求められる教育に効果を発揮する企業連携授業

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