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カレー沢薫の時流漂流 第301回 禁じられた遊び論争と、無責任な子育て指南の果てに、やっぱりSwitchを買う

マイナビニュース / 2024年5月27日 13時39分

親の教育が子供の内面に影響を及ぼすのは確かだが、影響がどのような結果をもたらすかは未知数であり、正直結果論になりがちだ。

放任することで子供が大成すれば「子供は自由に育てるのが一番」となるだろうが、逆であれば「親の甘やかしとネグレクトのせい」となり、ワクチン接種歴があればワクチンのせいになるだろう。

私自身も、好きにゲームや小遣いを与えられたわけではないが極端に制限されて育ったわけではない、しかし現在1日平均15時間スマホを触り、極端にひきこもった生活をしているので、抑圧が必ずしも爆発の原因になるわけでもない。

人格というのは生まれつきの資質や親以外からの影響も関係しているので、原因を一つに絞るのは不可能である。

しかし、子供時代に与えられる小遣いや、アイテムにより、人格だけではなく「人間関係」に大きな影響を及ぼし、子供に強いストレスを与えてしまうという意見もある。

現在その際たるものが「ニンテンドー Switch」だと言われている。
○令和の中島は「おーい磯野! スプラしようぜ!」と言う

確かに私の親戚の子供もSwitchは軒並み持っている、それも一家に一台ではなく、子供一人につき1 Switchという家も珍しくない。

おそらく令和の中島はカツオを野球になど誘わず、スマブラやスプラトゥーンに誘ってくるのだろう。そこで磯野家が子供にゲームを一切与えない方針だと詰みである。

ポケモソカードを買った子供も、おそらく周囲がみんなポケモソカードを持っており、ポケモソカードが欲しかったというより、輪に入りたくて窃盗までおかした可能性はある。

大人とて、物欲ではなく、見栄や周りについていくために不相応な金の使い方をしてしまうことはある。問題は抑圧ではなく、子供の「立場」を無視することなのかもしれない。

また、現在の親世代にはギリギリゲームが当たり前でなかった世代が混じっているので、ゲームへの偏見や、子供同士のコミュニケーションにいかにゲームが大切かを理解していないため、このような事態が起こるのではないかという分析もある。

確かにファミコンキッズだった親が、子供にゲーム機を全く与えないということはあまりないだろう。むしろ子供にねだられなくても、自分用に買っていそうな気がする。

しかし、人並みにゲームを与えれば、子供に人並みに友人ができるとも限らない。

実際私はゲームを買ってもらったら、ゲームに専念するために友人との付き合いを断つタイプだったので、十分にゲームが与えられたらますます孤立していたと思う。

ちなみに、十分に与えられていない時は、ゲームを持っている友人の家にやたら行きたがってウザがられ、「ゲームがしたいだけだろ」と叱責されたことすらある。

現在も本来なら通信機器であるスマホにかじりついて孤立しているのだ。孤立する奴は何を与えても孤立する。その原因をニンテンドー Switchや、それを与えなかった親だけのせいにするのは酷というものである。
(カレー沢薫)



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