1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

副作用のないがん治療戦略確立へ - がん細胞内での阻害剤合成に成功

マイナビニュース / 2024年5月27日 14時22分

そして、今回のプロドラッグの作用機序を確認すべく、マウスのがん治療を通じて検証が行われた。その結果、マウス体内ではプロドラッグによる腫瘍成長の抑制効果が見られ、がん細胞内では確かにドラッグが合成されていることが確かめられたという。

その一方で、腎臓の障害による体重増減の副作用は確認されず、正常な腎臓組織上ではドラッグが合成されていないことが示唆されたとのこと。実際に、がん治療後のマウス体内の腎臓組織ではドラッグによってシアル酸が減少しているが、プロドラッグではシアル酸が減少していないことが明らかにされた。このことから、正常な腎臓組織ではドラッグの合成が起きていないことが強く支持され、副作用の回避につながっていることが示されたとする。

今回の研究ではこのように、シアル酸転移酵素阻害剤をプロドラッグ化することで、がん細胞内のみでドラッグを合成し、がん細胞の糖鎖構造のみを合成化学的に変換するという、副作用のないがんの治療戦略を実証することが達成された。研究チームは、がん細胞内で薬剤を合成するという今回の研究戦略は、他の作用機序を有する抗がん剤の開発においても、副作用を減らす戦略としての活用が期待されるとしている。
(波留久泉)



この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください