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AIが切り開く人間の新たな可能性、アクセンチュアの「Technology Vision 2024」

マイナビニュース / 2024年5月28日 6時52分

画像提供:マイナビニュース

アクセンチュアは5月27日、2024年1月に発表した今後数年間で企業が押さえるべきテクノロジートレンドの最新調査レポート「Technology Vision 2024」に関する記者会見を日本で開催。同レポートの要点についての説明などを行った。

今回のテーマは「Human by Design」であり、テクノロジー コンサルティング本部 インテリジェント ソフトウェアエンジニアリングサービスグループ 共同日本統括 兼 クラウドインフラストラクチャーエンジニアリング日本統括 マネジング・ディレクターの山根圭輔氏は「日本語に訳した際に最終的に“人間性を組み込む”とする表現を選んだが、“新たにデザインされた人間性”とも読みとることができ、実はこの2つの意味合いが含まれた言葉である」と説明する。

人間性を獲得したAI

これまで同社のテクノロジートレンドの将来予測の中心は基本的には「ヒト」であった。例えばTechnology Vision 2019においては、「Human+ Worker」というトレンドを打ち出し、将来的に人間の活動が機械やシステムとデジタルでシームレスに融合していくこととなり、企業はそうした方向に投資を進める必要性が強調されていた。それから5年を経た現在、ChatGPTを中心とした生成AIの急速な進化が進み、AIが人間の表現能力に近づき、モノによっては追い越すといった状況となり、2019年当時、まったく想像していなかった時代が到来した。

この結果、これまでは主役が人間であり、人間がテクノロジーをどう使いこなしていくか、という視点からの考えであったが、2024年現在では、生成AIやLLM(大規模言語モデル)の進化に伴い、AIエージェントがテクノロジーによって人間性を獲得し、人間のバディとして活動できる未来が見えてきた。山根氏も「人間+AIバディという世界がくるのではないかと思っている」と、AIが人間を支える存在へと進化していく未来が来るとの予測を示す。また、人間と、その人間に寄り添うAIバディという新たな関係性の登場は、AIに人間性を組み込む一方、人間をこれまでの五感の領域から解き放つ方向にも発展していく可能性を示すこととなる。

山根氏は、「テクノロジーによるAIと人間の“共進化”」とそれを表現する。例えば、人間の意思を汲んでくれるAIが常に傍らに居てくれるようになると、これまでは検索ワードでWeb上の情報を収集していた行為(ライブラリアンモデル)から、AIとの対話によって人間が必要としている情報をAIがWeb上に限らずに検索を進め、その結果を説明してくれる「アドバイザーモデル」へと変化していくことが想定される。もちろん、個人別のAIエージェントが存在するからには企業のAIエージェントも存在することとなる。すでに日本でも企業が社内外に向けてAIエージェントを活用したサービスの提供を開始する動きも出てきた。そうしたAIエージェントの質を高めるためには、ChatGPTのような一般的な生成AIだけではなく、企業内に蓄えてきたさまざまなデータとAIを融合させて各企業独自のLLMを構築・拡張していくことで、ユーザーの満足度を高めていくことが求められる。こうした取り組みを進めていくと、これまで検索結果を通してしかユーザーにアプローチできなかったサービスが、AIエージェントを介してダイレクトにユーザーに届けられるようになる時代が到来することになる。

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