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日本でも普及する"低用量ピル"そのワケとは - 少子化が加速する、性感染症が増えるってホントなの?

マイナビニュース / 2024年6月3日 18時30分

画像提供:マイナビニュース

オンライン・ピル処方サービスの「スマルナ」を運営をしているネクイノは、今年の4月に公開した「ピルファクトブック2024」のテーマに沿ったメディア勉強会をこのほど開催した。

本勉強会では、ネクイノ代表取締役であり薬剤師・経営管理学修士でもある石井健一氏と西條婦人科往診クリニック院長の西條良香氏が登壇。日本におけるピル(経口避妊薬)の普及状況やそのリスクなどを解説した。

「ピルファクトブック2024」は、高い避妊効果や月経痛緩和などに効果をもたらす"ピル(経口避妊薬)"に関するデータをまとめたもので、スマルナの公式サイトにて無料で公開されている。
低用量ピルってどんな薬なの?

西條氏によると、超低用量ピル/低用量ピルは排卵を抑える・子宮内膜を薄くする効果があり、この2つのメカニズムは避妊・月経困難症改善、月経前症候群(下腹痛や吐き気、疲労、脱⼒感、イライラなど)のいずれにも効くという。また、生理痛改善や経血量の減少、ニキビの改善も期待できるとのこと。

一方で、副作用があることも忘れてはいけない。むくみをはじめ、めまいや片頭痛、眠気など重篤ではないものをはじめ、血栓症といった重篤な副作用がある。

血栓症のリスクは、低用量ピルを服用している女性は服用していない女性に対して、3~3.5倍に高くなるとの報告があるが、アメリカの複数機関(アメリカ産婦人科学会、アメリカ食品医薬品局)によれば、血栓症の発生頻度は低用量ピルを服用していない人で年間1万人あたり1~5人、服用している人で3~9人と絶対リスクは低いとされている(※)。

※日本産科婦人科学会/日本女性医学学会 OC・LEPガイドライン2020年度版

また西條氏は「自身の努力である程度、血栓症リスクは下げられる」と説明。そのポイントとして、「タバコ」「体重」「基礎疾患」の3つを挙げ、生活習慣を改善する、定期的に検査を受けるなどのリスクマネジメントをし、情報を医師と共有することで安心した服用につながるという。
脱ピル後進国? 日本での普及率

そもそも経口避妊薬としての低用量ピルは、1960年に世界で初めてアメリカで承認された。それから遅れること約40年。日本では1999年に9社16品目の低用量ピルが初めて承認された(※)。

※参考文献:厚生労働省. ”低用量経口避妊薬(ピル)の承認を「可」とする中央薬事審議会答申について”.

ここまで承認が遅くなった理由として、西條氏は次の2点を挙げた。

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