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『虎に翼』仲野太賀「佐田優三という役に出会えてよかった」 思い出深いシーンも語る

マイナビニュース / 2024年5月30日 8時15分

画像提供:マイナビニュース

伊藤沙莉主演の連続テレビ小説『虎に翼』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で、伊藤演じる主人公・佐田(猪爪)寅子の夫、佐田優三役を演じている仲野太賀。寅子と結婚して子どもにも恵まれ、楽しい結婚生活が続くのかと思いきや、戦争がその幸せを引き裂いた。仲野を直撃し、脚本の段階から「読んでいて苦しかった」というシーンや、一番思い出深いシーンについて話を聞いた。

伊藤が演じる寅子のモデルは、日本初の女性弁護士で、後に裁判官となった三淵嘉子。寅子とその仲間たちが、困難な時代に道なき道を切り開き、迷える子どもや追いつめられた女性たちを救っていく。
○戦争で幸せを奪われる展開に「胸が苦しくなった」

『虎に翼』の現場について仲野は「風通しのいい現場ですが、それは全部、伊藤沙莉ちゃんという座長が作り出す空気なのかなと思います」と伊藤の座長ぶりを称える。

「沙莉ちゃんは思ったことをちゃんと口に出すのですが、まったく嫌な気がしないというか、それが率直で素直な言葉だったりするので、いろんな問題がスムーズに解決されるんです。いろんな人に気を遣ってコミュニケーションを取りますが、それも気負わずにやられている気がします。現場の真ん中にそういう人がいると、我々も自然と『そんなに気負わなくていいんだ』という気持ちにもなれるし、リラックスして現場に入れます。きっとスタッフ全員が沙莉ちゃんのことを好きだと思います」

早くに両親を亡くした優三は、猪爪家に下宿し、弁護士だった父と同じ道を進むべく、昼は銀行で働きながら夜間は大学で勉学に励んだ。難関の試験は突破できず挫折を味わうが、寅子と結婚し、穏やかな幸せをつかむ。寅子との夫婦の絆が深いだけに、優三に召集令状がきた時には衝撃が走った。仲野も「戦争のシーンが近づくにつれ、胸が苦しくなりました」と振り返る。

「ようやく優三と寅ちゃんが結ばれ、それまで家族のいなかった優三が本当の家族を手にすることができました。もちろん寅ちゃんだけじゃなくて、今までずっと一緒に暮らしてきた猪爪家のみんなとも家族になれたし、愛する娘もできました。自分が望んでいた法律の道には行けなかったけど、彼自身が心の底から手に入れたかったもの、欲しかったものは家族だったんじゃないかと。そんな時に戦況がどんどん悪化していったので、脚本を読んでいて、苦しかったです」

さらに仲野は「優三もなぜ戦争に自分の幸せを奪われなきゃいけないんだろうと思ったでしょう。でも、彼の中の“主語”は常に寅ちゃんなんですよね。いつも寅ちゃんが悲しくないようにと考えるのが優三らしさなのかなと。だから、戦争に行くのは仕方がないから、せめて寅ちゃんを悲しませないように、そういう空気を作らないようにしたいという思いで出征していったんじゃないかなと思っています」と優三が寅子を思いやる心の内をおもんばかった。

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