海水は塩辛いが、海草群生地の土壌でコーラ320億本分の砂糖が見つかる - ネット「スケールでかすぎ」「自然の驚異」
マイナビニュース / 2024年5月29日 22時38分
海草群生地の土壌には、従来の海洋研究で測定されていた値の80倍の糖が含まれていることが、マックス・プランク海洋微生物学研究所(MPIMM)の研究で明らかになった。海草は地球上で最も効率的に二酸化炭素を吸収する植物の一つであり、その吸収速度は陸上の森林の35倍にも達する。研究チームは、海草の根圏に60万~130万トンの砂糖が存在すると推定している。これは、缶入りコーラ約320億本分に相当する量だ。
海草は光合成で生産した糖をエネルギー源として利用しているが、日中や夏場の強い日差しの下では、消費しきれない糖を根から放出する。この糖が根圏に大量に存在する理由の一つとされる。糖は微生物にとって重要な栄養源であるが、海草はフェノール類を放出し、微生物の糖分解を抑制している。フェノール類には抗菌作用があり、微生物の代謝を阻害することで糖の消費を防いでいる。
興味深いことに、海草はわざわざフェノール類を分泌して糖を守る理由がある。海草の根圏に存在する一部の微生物は、フェノール類を分解しながら糖を窒素などの有益な栄養素に変換することができる。つまり、海草は微生物との共生関係を築くために、糖を土壌に保管しているのだ。
しかし、地球環境の変化により、海草は年間7%の割合で減少している。もし海草が全て消失し、根圏にある糖が分解されると、少なくとも154万トンの二酸化炭素が大気中に放出されることになる。これは、33万台の自動車が1年間に排出する二酸化炭素の量に相当する。
本研究は、海草の理解に貢献するとともに、ブルーカーボン生態系の保全の重要性を明らかにしている。MPIMMの研究者、マギー・ソギン氏は、海草の保護が地球環境の維持に不可欠であることを強調している。
ネットでは「環境問題解決のために必要になりそうだ」など環境問題への解決策として注目が集まっている一方、「海水はしょっぱいが海底は甘い…」「ごはんに換算してほしい…」「スケールがでかすぎてわからん」など、実生活とかけはなれたスケールの話に理解が追い付いていない様子も見られた。
(CLANE)
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