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大阪公大、チタンは殻構造とαクラスター構造の両方を持つとする理論を発表

マイナビニュース / 2024年5月30日 16時56分

今回の研究のため、新たに殻構造とクラスター構造を同一の枠組みで表すことができる理論模型が構築された。原子核に陽子を衝突させた場合は標的原子核の表面付近の構造を、α粒子を衝突させた場合はより外側の領域の構造を反映する、原子核反応の一般的な性質が利用され、48Tiに対して、高エネルギーに加速された陽子およびα粒子を衝突させる過程が計算された。

48Tiの構造として殻構造であると仮定した場合と、αクラスター構造であると仮定した場合の、それぞれの理論計算が実験データと比較された。その結果、48Tiは標準的な見方である殻構造が支配的であるものの、表面より外側にはαクラスターの成分を持つと判定されたという。

今回の成果は、中重領域の原子核構造が、殻構造からαクラスター構造へと、原子核の中心からの距離によって移り変わる可能性を初めて提示したもので、従来の原子核構造の理解を覆すものであると研究グループでは説明している。重い原子核がα崩壊を起こす現象は古くから知られてきたが、その根本的理解(原子核表面にα粒子が存在するのかどうか)は、およそ1928年に発表されたガモフの理論から未解決のままとなっていた。今回の研究成果は、中重領域以降の原子核において、通常の殻模型による理解を超え、表面にα粒子が析出している可能性を示すものとなり、なぜ重い原子核がα崩壊を起こすのかという問題の解決の糸口を与え、原子核構造研究の新たな地平を拓くものであることが期待されるともしている。
(波留久泉)



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