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大河原克行のNewsInsight 第294回 NECが関西万博に「顔認証」を導入、日本のデジタル化の未来もかかる大型システム

マイナビニュース / 2024年5月30日 22時30分

「QRコードとの組み合わせによって、登録者と顔を照合することになる。なりすましや使いまわし防止に効果があるほか、入場ゲートでの省人化にもつながる。来場者には、新たな技術を体験もしてもらえる」(NEC 大阪・関西万博推進室長の高橋篤史氏)と見ている。なお、各パピリオンでの入場にはQRコードを利用するが、顔認証は利用しない。

ゲートでの顔認証は、カメラ位置を考慮することで、車椅子での来場者や、子供の来場者でもスムーズに認証を行えるようにする。また、マスクを装着しても顔認証が行えるようにしている。NECの顔認証は、見た目で判断しているのではなく、顔の目や鼻、口などの特徴点の位置や、顔領域の位置や大きさをもとに照合を行っており、眼鏡の有無や、帽子の有無、ひげの有無などは影響しない。

一方、顔認証決済システムでは、万博会場内に設置された約1000台のstera terminalを活用。対象店舗で顔認証を行うだけで、スマホやクレジットカードなどは使用せずに、手ぶらで決済ができる。決済方法は、クレジットカードか、「EXPO2025デジタルウォレット」アプリの電子マネー「ミャクペ!」が利用できる。

stera terminalには、Androidが搭載されており、NECは決済用アプリケーションを開発し、提供した。stera terminalに内蔵されているカメラを利用して、顔認証する。

会場内のほとんどの店舗では利用できるが、キッチンカーによる移動型店舗など、一部では、stera terminalが導入されていないため、顔認証決済は利用できない。

利用者は、物品の購入時に、「顔認証決済でお願いします」といえば、店員が端末を操作。画面にはミャクミャクがカメラの位置を指さすイラストが表示される。カメラに向かって顔認証をすると、紙のレシートが発行され、商品が購入できる。数秒で決済が終了する。

また、店舗側もデジタルでのデータ管理が可能になり、販売管理業務の短時間化、現金の管理の手間がなくなり、店舗の回転率の向上につながるといったメリットを想定している。

「通期パスおよび夏パスの利用者は、入場も決済も顔パスで済む。手がふさがっているときも、財布からお金を取り出したり、クレジットカードなどを出したりする必要がなくなる。決済時の時間短縮にもつながる」とした。

いずれの利用においても、チケットサイトなどを通じて、事前に顔画像を登録することになる。スマホやカメラ付タブレットなどで登録ができ、現時点では、2025年1月頃からの顔登録を予定しているという。顔画像データは国内のデータセンターに格納しており、個人情報は利用者の同意なしに、別の用途で利用することはないという。

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