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名大など、生成AIを用いて西洋古典学に特化した対話システムを開発

マイナビニュース / 2024年5月31日 18時21分

しかしヒューマニテクストは、テクストの文脈を高度に理解できるため、ユーザーが自らの興味のある事柄について母語で質問するだけで、それに関連する原典テクストを特定した上で回答を出力できるとのこと。これにより、古代ギリシア・ローマの哲学、文学、歴史文献をより広い視点で比較しながら研究することが可能となる。研究チームはこの新しいテクスト探索・分析手法について、西洋古典学だけでなく、人文学全体で幅広い比較研究を進めるための大きな一歩となるだろうとする。

ヒューマニテクストは、西洋古典原典へのアクセスのハードルを大幅に下げることで、専門家以外の研究者や学生、一般の人々も日本語で西洋古典のリソースを気軽に引用・参照・解釈できる環境を提供するという。西洋古典は西洋や人類全体の知の源泉であり、研究チームは、今回のシステムを通じて多くの人々がこの過去の遺産からインスピレーションを得られる機会を広げることを考えているとした。

また教育現場では、これまでの文献精読を中心としたトレーニングではなく、創造的に問いを立てる課題発見能力とAIを適切に運用する能力の育成に、より大きな比重を置く必要が想定される。そのため研究チームは、ヒューマニテクストを活用した教育プログラムの開発にも取り組んでいるという。

さらに、今回開発された新しいテクスト分析システムは、テクストデータさえ整備できれば人文学全体で幅広く応用可能だ。この成果は、西洋古典学の研究を新たな次元に引き上げるだけでなく、あらゆる時代や地域の哲学・思想、文学・言語、歴史・文化にわたるテクストを包括的に分析し、新たな知識の開拓と理解の深化に貢献するとした。

これまで専門分野が細分化されてきた結果、各分野の知識は蓄積されてきた一方で、分野間の対話や包括的な視点に立つ研究が難しくなっていた。しかし、ヒューマニテクストを拡張することで、古今東西の知識を統合し、異なる学問分野の理解や思考法が交差する場を作り出すことが可能だ。研究チームは、同システムを活用することで、人文学研究における新たな学問領域や融合領域の開拓が今後の課題となるとしている。
(波留久泉)



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