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カレー沢薫の時流漂流 第302回 エモエモなAppleのCMは何故燃えたのか

マイナビニュース / 2024年6月3日 11時54分

画像提供:マイナビニュース

私が学生時は学校行事中に撮影された写真が後日貼りだされ、そこから欲しい物を選んで購入するというシステムがあった。

私はそれらの写真に写っている率が異常に低く、高校の時にはついに「頭頂部」のみが映っている写真が1枚発見されるだけとなった。

これは校内カメラマンが思わずシャッターを切りたくなるエモいシーンに全く参加できていなかったという証拠なのだが、自分がエモくなかったのは重々承知であり、もしろ人様の青春の1ページに悪霊のように映り込んでなくて良かったと思う。

それよりも、親の方が行事写真に我が子の姿がなく、写っているとしても常にソロで、体育祭なのに背景が図書室という「我が子の周囲に受け入れられてないぶり」を目の当たりにする方がキツイとも聞く。
○■ジミヘンに燃やされたりプレス機に潰されたりするギターさん

他人がなんと言おうと自分だけは理解し、愛し続けるという気持ちはあっても、自分の大事なものが他者にぞんざいにされているのを見るのはショックなものである。

漫画家も本が売れないと、単純に打ち切られて経済的に困るというのもあるが、自分が時間と労力をかけ、面白いと思って出したものが、他人から見向きもされていないという事実をつきつけられる意味でも辛いのである。

しかし、買わない読者が悪いわけではないように、子供が自然現象で友達ができないのも周囲が悪いわけではない。相手にだって友達を選ぶ権利はある。

しかし故意に仲間外れにされていたり、いじめられているとなったら話は別である。

クリエイターも自分の創作物が世間にジャッジされ、選ばれないとしたら仕方がないし受け入れなくてはいけないが、根本的に「ふみにじられている」となったら怒りと不快感を隠すことはできないのだ。

そんな他者が創り出したものや愛するものを物理的にふみにじったとして大きな批判を集めたのが「Apple」である。

Appleが新型「iPad Pro」「iPad Air」の発表のために制作したCMの内容が一部の層から大きな反感を買い、後に謝罪、CMのテレビ放映を中止するまでになったそうだ。

そのCM内容とはレコードプレーヤー、トランペット、スピーカー、ピアノ、ギターやメトロノーム、絵の具の缶を巨大プレス機が「押しつぶし」、そこからiPad Proが現れるというものである。

おそらく、これらのツールで創り出してきたものは全てiPadで作れる、というような意図なのだと思う。

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