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長周期彗星を迎え撃つ探査機「Comet Interceptor」とは? 日本が開発する子機に注目!

マイナビニュース / 2024年6月4日 7時30分

ただ、待機中にちょうど都合の良い天体が見つかるかどうかは、運の要素も大きい。発見されても、地球軌道から遠すぎれば、到達できない。かといって探査機には寿命もあるので、いつまでも待つわけにはいかない。L2では5年ほど待機し、もしちょうど良い長周期彗星が現れなかったときは、既知の短周期彗星に向かう予定だという。

ここで注目したいのは、長周期彗星のほか、太陽系外から飛来した恒星間天体も探査できる可能性があるということだ。2017年に発見された「オウムアムア」は、史上初めて観測された恒星間天体。発見されたのはすでに太陽から遠ざかっているときだったが、もしもっと早く見つかるようなことがあれば、探査が可能かもしれない。
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Comet Interceptorは、欧州側が母船を開発。この母船には、彗星への最接近前に分離する子機が2台搭載され、離れた3カ所から同時に観測することで、彗星の立体的な情報まで得ることを狙う。この子機のうち、1台(子機B1)を日本側が開発する計画である。

JAXAは2021年8月、Comet Interceptor子機B1の概念検討で企画競争を行い、アークエッジ・スペースと明星電気の2社を契約相手として選定した。そして2022年11月、技術提案方式でさらに「探査機システムの開発、システム試験及び運用支援」の調達を行い、アークエッジ・スペースを選んだ。

○JAXAによる定義(参照:https://stage.tksc.jaxa.jp/compe/policy.html)

企画競争: 仕様内容の実現方法が複数あるものや民間企業等が有しているノウハウ・企画等を競争させ、JAXAにとって最も有利と認められる提案を行った者を契約相手方として選定する競争方式

技術提案方式: 性能・機能・技術等の技術的な提案や提案者の技術力・実施能力等を総合的に評価し、JAXAにとって最も有利と認められる技術提案を行った者を契約相手方として選定する競争方式

過去の開発実績だけを見れば、同社は決して大きくはない。現在、社員数は約70名まで増えてきたものの、選定があった当時の打ち上げ実績は、まだ3Uサイズ(1Uは10cm角)のIoT衛星「RWASAT-1」(2019年)があるだけだった。同社が選ばれた理由等はJAXAから公表されていないので分からないものの、柿原氏は同社のことを「何でも屋」と評する。

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