何百万台ものルータが侵害の可能性、米大手ISPリモート管理に脆弱性
マイナビニュース / 2024年6月5日 13時57分
セキュリティ研究者のSam Curry氏は6月3日(米国時間)、「Hacking Millions of Modems (and Investigating Who Hacked My Modem)」において、米国のケーブルテレビプロバイダー「Cox Communications」がインターネット回線加入者に貸し出している無線LANルータのリモート管理インタフェースに脆弱性が存在したと伝えた。これは、同社のすべての顧客が危険にさらされたことを意味しており、数百万のルータが侵害の危機にさらされていたことになる。
○Sam Curry氏が経験した侵害
Sam Curry氏は3年前、セキュリティ関連作業を行うため外部に簡単なHTTP(Hypertext Transfer Protocol)サーバを立ち上げ、通信ログを確認していた。すると自身がアクセスした正常なログの直後に外部のIPアドレスから同じURLへのアクセスログが記録され、侵害の可能性に気づいたという。
宅内の他のデバイスなどからアクセスしても同様のログが記録されたことから、攻撃者は何らかの目的で通信を傍受してアクセスをリプレイしたとみられている。Sam Curry氏は友人の協力を得てログに記録された攻撃者のIPアドレスを調査し、それがフィッシングサイトやメールサーバのドメインと一致することを確認している。
Sam Curry氏は攻撃者がどこで通信を傍受しているのか確認するため、いくつかの通信経路を検証。その結果、Cox Communicationsから貸し出された無線LANルータに原因があることを突き止めた。
侵害されたデバイスが判明したため、Sam Curry氏は速やかにルータの電源を抜いて被害の拡大を防止。しかし、このままではインターネットに接続できないため、Cox Communicationsに機器の交換を申請した。交換には侵害された古いルータを引き渡す必要があり、調査はここで一旦打ち切りとなった。
○調査の再開
侵害の事案から3年後の2024年初め頃、Sam Curry氏は友人の引っ越しを手伝い、Cox Communicationsのルータを設置する作業を実施した。このとき、Cox CommunicationsのオペレーターがリモートからWi-Fiパスワードを含むルータの設定を変更したことを確認。Sam Curry氏はCox Communicationsのルータにリモート管理機能があることを知り、この機能に興味を持ち調査を再開。
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