日本電気硝子、次世代半導体パッケージ向けガラスセラミックスコア基板を開発
マイナビニュース / 2024年6月5日 10時14分
日本電気硝子は6月5日、次世代先端半導体パッケージ向けガラスセラミックスコア基板「GCコア」を開発したことを発表した。
チップレットに代表されるような複数の半導体ダイ/チップを1パッケージに集積することで半導体デバイスとしての高性能化が進むことが期待されている。しかし、そうした先端パッケージ向けに従来用いられてきた樹脂製コア基板では、微細化が難しいという課題と共に、基板サイズを大きくしたり、複数のダイ/チップを搭載したりすると反りなどの変形が生じやすくなるという剛性上の課題があり、新たなコア基板材料として、電気的特性、剛性、平坦性、加工容易性などの観点からガラスに注目が集まりつつある。
同製品はガラス粉末とセラミックス粉末の複合材を用いることで、ガラスの特性に加え、ビア(孔)の加工容易性も持たせることに成功したコア基板だという。具体的には、セラミックスの外部の力によって変形しにくく、クラックが入りにくい特性により、一般的なガラス基板向け手法であるレーザー改質とエッチングによる孔加工ではなく、CO2レーザーによる孔加工だけで済み、高速でクラックレスの孔開け加工が可能となり、加工精度の向上と経済性の向上の両立を図ることができるようになるとしている。
また、素材そのものとしても、独自開発のLTCC材料(低温焼成セラミックス)を採用することで、誘電率ならびに誘電正接を低くでき、信号遅延や誘電損失の低減を図ることができるとしているほか、ガラス基板と比べて高い強度を実現しているため、製造時のハンドリング性の向上や基板の薄型化も可能だとしている。
さらに、ガラスとセラミックスの組成や配合比を変えることで、カスタマのニーズに応じた特性とすることも可能だとのことで、低誘電率タイプのほか、樹脂基板の熱膨張に併せた高膨張タイプや、高い強度を実現する高強度タイプなどといった基板の開発も可能だとしている。
なお、同社はすでに300mm角の基板を開発済みとしており、2024年内には515mm×510mmへと基板の大型化を目指した開発を推進していく予定としている。
(小林行雄)
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