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アストロスケールが東証グロース市場に上場 - 初値は公開価格を50%上回る

マイナビニュース / 2024年6月5日 17時6分

画像提供:マイナビニュース

アストロスケールホールディングスは6月5日、東京証券取引所グロース市場に新規上場したことを発表。同日には上場記念セレモニーおよび記者会見を開催し、同社創業者兼CEOの岡田光信氏が、上場に際して今後の展望を語った。

○初値は公開価格50%増 - 軌道上サービスへの世界的関心の表れか

アストロスケールは、スペースデブリ(宇宙ゴミ)の除去サービスに特化した宇宙ベンチャーとして2013年に創業。以来、人工衛星運用終了時のデブリ化防止のための除去、既存デブリの除去、衛星の寿命延長、故障機や物体の観測・点検サービスの開発などに取り組み、グローバルな軌道上サービスプロバイダへの成長を見据えて事業を展開してきた。同社はこれらの事業を通じて持続可能な宇宙利用を促進するとともに、衛星運用者にとってのリスクを軽減し、ROI(投資利益率)を高めることで、ミッションの成功に貢献するとしている。

そして5月1日、アストロスケールは東京証券取引所より、株式の同取引所グロース市場への新規上場を承認されたことを発表。6月5日をもって正式に上場し、同社株式の売買が可能となった。なお初値は、公開価格を約50%上回る1281円に。これについて岡田CEOは「世界各国でロードショーを積極的に行ったことで、海外の機関投資家からの需要が集まっているのかもしれない」と推測した。

「ここ2年で軌道上サービスに対する需要が急激に増加した」と語る岡田氏。それまでは政府機関による需要がほとんどだったのに対し、近年では民間からの需要も急増していて、今後もその市場は拡大することが見込まれるとする。
○“国境の無い宇宙の問題”に取り組むため各国に拠点を展開

岡田CEOはアストロスケールの強みとして、技術・事業・グローバルでの存在感の3点を挙げる。技術の面では、衛星で軌道上のデブリに接近し近傍で運用を行う「RPO技術」の開発に注力し、その実証に成功している。また事業のついては先述した通り世界的に拡大傾向にあり、各地でのビジネス機会獲得に向け、同社は世界5カ国に開発機能を有した拠点を展開している点も大きな強みとのこと。「宇宙の持続利用を実現するという目標には国境が無い」と岡田CEOは語っており、地球規模で宇宙環境の維持に取り組むため、24時間どこかの拠点が稼働しているという。

○上場により200億円超を調達し「次のステップに進む」

アストロスケールCFOの松山宜弘氏によると、今回の上場により、オーバーアロットメントがすべて行使された場合には200億円を超える資金調達となる見込み。「各国の拠点で生産設備や研究開発における投資は1巡しており、今回の調達は次のステップに進むために重要な資本バッファとなる」と松山CFOは語った。

なお今後の経営計画については、事業の黒字化に向けた計画について「サステナブルなビジネスにするためには、時間をかけて進めていくべきものではないので、スピード感を持って計画を遂行していく」と語る。また、これまで7度にわたりシリーズGまでの資金調達を行ってきた同社だが、今後の調達計画は特に設定していないとのこと。しかし、市場の変化や投資に値する機会があれば、成長に向けた投資として新たな資本調達も辞さないとする。

岡田CEOは「上場はあくまでも通過点」としながらも、「大きなステップであることは間違いない」と今回の上場の重要性を強調する。また今後については、人工衛星の打ち上げ急増により「宇宙環境の悪化が加速している」という状況の中で、「我々が全力でサービスを加速させないと、宇宙環境の保全が間に合わない可能性もある」とし、市場の先頭に立って事業活動を進め続ける姿勢を改めて明確にした。
(鶴海大輔)

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