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蚊はシリコーンオイルが苦手? - 花王が蚊専用仮想空間を用いて実験

マイナビニュース / 2024年6月6日 18時14分

なお、シリコーンオイルは疎水性の蚊の脚にすばやく濡れ広がる性質を持ち、接触すると蚊の脚がオイルの方に引っ張られるような強い力が働く。蚊にとってはこの引力が脅威となり、逃避行動を誘発することが考えられるという。

また蚊は、叩かれそうになった時の物理刺激と、その際に嗅いだニオイを連合させて記憶し、そのニオイを回避することが報告されている。たとえば、人が両手で叩いて潰そうとした際、その人の手などからの揮発成分と、蚊に対して巨大である手が迫ってくる際に起こされる風圧などを記憶しているというのだ。そこで研究チームは、シリコーンオイルが脚についた時のニオイも記憶し、行動が変わるのではないかと推測。それを確かめるために次の実験では、シリコーンオイルと、シリコーンオイルとは違って脚で濡れ広がらず行動に影響を与えない「グリセロール」を、比較対象として蚊の脚に付着させて、仮想空間でその行動の比較を実施したとする(両方とも無臭であるため、蚊が嫌うニオイとして知られているシトロネラオイルが混ぜられた)。

その実験においては、シリコーンオイルが脚についた場合に、シトロネラのニオイが出ている方向を避けて飛ぶ時間が増え、そのニオイをより強く回避する行動が見られたとする。一方で、グリセロールの場合は飛行行動に変化は見られなかったとした。

蚊は、シリコーンオイルが脚に付着した際の“引っ張られる”という体験と、その際に嗅いだシトロネラを関連づけて記憶している(連合学習)と考えられるとのこと。この結果から、蚊が嫌な体験をした際に記憶したニオイに対して回避行動を取る可能性が見出されたとする。

研究チームは今回の実験により、蚊に最適化した仮想空間が構築されたことで、さまざまな感覚刺激に対する蚊の詳細な行動を把握できるようになり、シリコーンオイルが有効な可能性と、蚊が嫌な体験をした際に記憶したニオイに対して回避行動を取る可能性があることがわかったとしている。
(波留久泉)



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