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カレー沢薫の時流漂流 第303回 昔は富嶽三十六景、今はメタルスレイダーグローリーな円安狂騒曲に思ふこと

マイナビニュース / 2024年6月10日 13時35分

浮世絵などの美術品の流出は昔からよく言われていたが、最近では海外で日本の「レトロゲーム」が人気で、専門店には外国人観光客が押し寄せ、ついには国内のソフトの在庫が激減しているという。

中には1億以上の値がつくソフトも存在し、美術品のように投資商品としても注目されているようだ。
○流出にモヤるも、後世に残すことこそコレクターの使命と知る

日本の貴重な物が海外に行ってしまうのはいかがなものか、という意見もあるが、コレクターズアイテムというのは誰が持ちどこにあるかではなく、価値がわかる者、そして「保存」ができる状態であることの方が重要、という考え方もあるそうだ。

おそらく今高値がついているソフトが眠っている家はまだあると思う。

しかし、その価値に気づかれることなく、持ち主や家主の死去により処分されてしまうものも少なくないはずだ。

そんな日本在住の倉橋昭三さん(仮)宅と共に朽ち果てさせるぐらいなら、異国のコレクションルームで子々孫々受け継がれた方が良いということである。

実際、浮世絵などは当時の日本では雑に扱われていたものを、海外のコレクターが持ち帰り保存されたおかげで、今もキレイな状態で残っているという。

もちろん日本にも、同じ気概のコレクターは大勢いるが、現在は円安なので海外コレクターの方が強いようである。

ただし、コレクターの中には、収集に全力で保存の方は忘れてしまっている者もいる。

ブックオフ的な古本屋に、明らかに貴重な本が100円で大量に並んでいる死の香りしかしない棚が急に現れるように、コレクションをわかる人間に託さず没したため、価値のわからない遺族により投げ売られて行方不明になったり、最悪処分されてしまうこともあるのだ。

所有者自身が、自分が死んだあとのことはどうでもいい、むしろ他人の手に渡るぐらいなら滅んでほしいと思っているヤンデレコレクターであるなら仕方ないが、やはりコレクターを名乗るなら、集めるだけではく後世へ残すことも考え、せめて遺族に「金になるからしかるべきところに売れ」ぐらいは伝え遺しておいたほうがいいだろう。
(カレー沢薫)



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