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大河原克行のNewsInsight 第295回 中期経営計画を下方修正した三菱電機、事業成長へ投資分野を見極める内訳

マイナビニュース / 2024年6月10日 16時59分

画像提供:マイナビニュース

三菱電機は、報道関係者およびアナリストを対象にした「IR Day 2024」を開催し、2025年度を最終年度とする中期経営計画の目標を下方修正した。売上高5兆円超の目標は維持したものの、営業利益率は10.0%から8.0%以上に、ROEは10.0%から9.0%にそれぞれ修正。キャッシュ・ジェネレーションは、5年間累計で3兆4000億円を、3兆3000億円へと修正した。

三菱電機の漆間啓社長 CEOは、「FAおよび空調の市場環境は、中期経営計画の策定時から大きく悪化している。たとえば、欧州A2W事業では、補助金制度が延期されるといった影響があり、FAも中国での回復の遅れが見られている。2024年度下期以降の回復を見込んでいるが、短期的には当初想定した水準には届かない。それがわかった段階で迅速に財務目標を見直した。だが、営業利益率は9%を見据えながら、構造改革を進めたい。2024年度からは各事業本部にもROICを導入している。リターンを生むものにしっかりと投資し、実行するのが2024年になる。投資効果の刈り取り、収益力強化を目指す」などと述べた。

また、成長投資は中期経営期間中の2兆8000億円の計画を維持。「2023年度までに、開発費、設備投資、投融資などに1兆4000億円を投資してきた。重点成長事業を中心に成長投資を実行し、持続的な成長を持続する」としている。

FAシステム、パワー半導体、インド、防衛領域への投資姿勢

事業ポートフォリオ戦略については、ビルシステム、空調・家電、半導体・デバイス、FAシステムを「重点投資による事業成長」領域として、三菱電機の成長を牽引する事業に定義。社会システム、電力システム、ビジネス・プラットフォームを「効率化・競争力強化による安定経営への貢献」領域として、経営の安定化に貢献する事業と位置づける一方で、他社との連携やM&Aによる補完を通じて、効率化や競争力強化を進めるという。また、防衛・宇宙システムは「市場拡大への対応と収益性改善」領域とし、拡大する市場に対応するための体制構築を推進。自動車機器は「構造改革、選択と集中」領域と位置づけ、パートナー戦略を迅速に推進することになる。

「重点投資による事業成長」領域のなかでも、FAシステムでは、国内外の生産体制の強化やパートナー戦略により、コアコンポーネントとデジタル領域での競争力強化を進める。「FAシステムのなかには低収益事業もある。パートナー戦略を検討しているものもある」とした。ビルシステムでは、昇降機の新機種投入により、新設ボリュームゾーンの攻略を進めるほか、マルチブランドでの保守およびリニューアル提案を進める。空調・家電では、製品開発の現地化や地産地消の強化により、欧米やインドの成長市場における環境規制ニーズへの対応を強化する。半導体・デバイスではパワー半導体のSiC事業の拡大を推進するという。

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