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愛媛大、月の海などを構成する玄武岩の形成過程を実験的研究から解明

マイナビニュース / 2024年6月11日 18時44分

その結果、大半のFTREsの分配係数は、試料中の鉄含有量の影響を受けないことがわかったとした。一方で、実験で得られたクロムの分配係数は、実験試料よりも鉄含有量がはるかに高い月の試料のカンラン石と、その中にあるメルト包有物から推定されるクロムの分配係数と比較して、有意に高いことが判明。また、ニッケルの分配係数は、金属鉄が不飽和な酸化的な条件ではほぼ一定だったが、金属鉄存在下では急激に減少したという。

最後に、今回の研究によって得られた微量元素の分配係数を用いて、月の玄武岩の形成過程が再考された。その結果、月の玄武岩中のカンラン石がクロムに富む性質は、溶融した月のマントル(マグマオーシャン)中でクロムに乏しい鉱物のカンラン石と斜方輝石が結晶化して沈降した後、浅いマグマに酸化鉄と共にクロムが濃集し、そこからカンラン石が結晶化したことで形成されたものであると結論付けられたとする。また、チタンに富む月の玄武岩中のカンラン石のコバルト/ニッケル比が、チタンに乏しい月の玄武岩のカンラン石に比べて高いことは、前者が月のマントルの還元的環境下(金属鉄飽和条件下)で形成されたことで説明できることがわかったとしている。
(波留久泉)



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