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中央大など、土器に縄文時代の種子が意図的に埋め込んであることを確認

マイナビニュース / 2024年6月11日 19時19分

また7点の圧痕は、すべて土器の器面表面で確認することが可能。4点では、隆線の刻みを切るように種実圧痕が認められ、他の3点の圧痕も含めてすべて隆線の頂部に器面に対して上の方向から押圧されており、隆線を配して、刻みなどを施文した後に、隆線上に露出する形で種子ないし子葉が埋め込まれたことが観察から判明した。

CT撮影の結果、土器器体には少なくとも径3~4mm以上の球状の空隙は認められず、逆に圧痕「SMO-53」に向かって左側の垂下する隆線内に6mm×4mm程度の空隙が認められたという。この隆線内の潜在圧痕が種実であるかは検討の必要があるそうだが、少なくとも器体には混在せず、隆線にのみ含まれることから、種子が故意に差し込まれた痕跡である可能性が高まったとした。

7か所の圧痕はいずれも隆帯上に位置しているのもあり、製作者が装飾として意図的に埋め込んだ上で土器を焼成したことが考えられるという。ただし土器自体が、縄文時代中期のダイズ属圧痕が多く発見されている中部高地からの搬入品である可能性もあるため、さらなる検討が必要とした。

関東地方の縄文時代前期以降の遺跡では、1個体の土器に多量の種実圧痕が検出された調査例はあるが、土器に意図的に種実が埋め込まれた多量種実圧痕土器は、これまで明確にはわかっておらず、縄文時代の植物利用の復元や、さらには縄文人の何らかの精神文化にかかわる行為を考える上でも重要な発見とする。

研究チームは今後、この結果を基に、他に同じような事例が行われていないか、また縄文時代に栽培されていたかどうかも含め、調査研究を進めていく予定としている。
(波留久泉)



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