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グランドピアノの表現力を電子ピアノで。ヤマハ「Clavinova」4年ぶりの新機種を聴く

マイナビニュース / 2024年6月12日 17時30分

画像提供:マイナビニュース

ヤマハは、電子ピアノ「Clavinova」(クラビノーバ) CLPシリーズの新製品「CLP-800シリーズ」を8月1日から順次発売する。ヤマハミュージック直営店の直販価格は19万8,000円〜49万5,000円。東京・銀座にある、ヤマハ銀座店地下2階の「ヤマハ銀座スタジオ」で、さっそく実機の音を聴いてきた。

CLPシリーズは、「グランドピアノさながらの演奏体験」の再現をめざし、“ヤマハの電子ピアノのイメージを牽引するプレミアムモデル”と位置づける製品。

Clavinovaでは4年ぶりとなる新機種CLP-800シリーズでは、ピアノを構成する音源や音響や鍵盤、ペダル、デザインを一体ととらえた設計思想を基に、ヤマハ独自技術を有機的に組み合わせることで、多彩な音色や表現力、豊かな響き、高い演奏性を追求している。さらに、ワイヤレスヘッドホンとのBluetooth接続対応、ヘッドホン演奏時に聴覚を保護する音量制限機能など、電子ピアノならではの便利な機能も組み合わせた。

新開発の音源チップは、現行のポータブル電子ピアノ「P-525」で既に採用したもので、プレミアムモデルであるCLP-800シリーズにも搭載。ピアノの挙動を再現する高速演算処理が行えるチップで、スピーカーから出る音もきめ細かく調整するなど、音作りにこだわっている。

さらにアコースティックな楽器としての性能も高めており、クラシック音楽などに求められる幅広い表現奏法が行えるようにした。ターゲットとしては、ピアノ演奏を楽しみたい30代の趣味層と、子どもにピアノを習わせている親を想定しているとのこと。

報道陣向けの発表会には、ピアニストの米津真浩さんが登場し、上位機のCLP-885Bを使ったゲスト演奏も。ピアノ作品の中でも、音の強弱やダイナミックレンジの幅の広さによる表現力が求められるドビュッシー「月の光」と、すばやい指の動きによる速弾きも必要なショパン「幻想即興曲」が披露された。

実際に聴いてみると、音の鳴り方や深みはやはりグランドピアノとは異なり、その音の響きにはいくらか電子ピアノっぽさも感じられる。しかし目を閉じて聴いていると、そのサウンドにはグランドピアノのようなダイナミズムと迫力が息づいているように感じられ、ゲスト演奏が終わる頃には、気がつけばこれが電子ピアノによる演奏であることを忘れさせられていた。

「月の光」は、序盤のピアニシモの繊細な弾きだしから、次第に幻想的ながらも時折自然の力強さを感じさせるメロディーへと変化する流れが特徴的な楽曲。ピアノ本体はアップライトピアノのようなコンパクトさなのだが、月の光の小さな音から大きな音までのつながりや、“鍵盤から音が湧き出す感じ”は、じっくり聴いていくと良い意味で電子ピアノらしくなく、聴く者を楽曲に引き込んでいく力を確かに感じた。ピアノ演奏には詳しくない筆者ではあるが、米津さんによるショパンの「幻想即興曲」の演奏に、“ピアノとの一体感”が生まれているように感じられたのも印象的だった。

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