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JAXA、MMXの探査でフォボスの形成過程を約70%の確率で解明可能と証明

マイナビニュース / 2024年6月12日 19時20分

まず、フォボスの元素組成を火星組成と小惑星組成の混合(捕獲説の場合は火星成分0%+小惑星成分100%で、衝突説の場合は火星成分50%+小惑星成分50%)により表現するモデルが考案された。2つの形成仮説、さらに、小惑星組成として12種類の「コンドライト質」(石質隕石のうち、コンドリュールと呼ばれる粒状の組織を内部に含むもの)組成が仮定され、合計24パターンの異なる形成過程を経験したフォボスのモデル元素組成が互いにどのように重なり合うのか、あるいは異なるのかについて、MEGANEで測定可能な6種類の親石元素(天体が均質な溶融状態から分化する過程で、岩石相に集まりやすいと考えられる鉄、ケイ素、酸素、カルシウム、マグネシウム、トリウムのこと)に着目して研究が進められた。

MEGANEにより観測されるフォボスの元素組成から形成仮説の判別が可能かどうかについては、その観測誤差に依存して変化することが定量的に示され、現在想定される観測誤差(20~30%)を仮定した場合、70%程度の確率で捕獲説と衝突説を判別できることが判明。さらに、形成仮説が決定できた場合には、50%程度の確率で捕獲された、あるいは衝突した小惑星の種類を12種類の中から一意に決定できるということも示唆されたとした。

今回の研究が提案するフォボスの元素組成モデルとデータ解析方法は、将来MMXにより実際に取得されるMEGANEの観測データに適用することが可能だ。その際には、MMXによる別の科学観測結果に基づいて捕獲・衝突天体の種類を追加あるいは限定するなど、形成過程の理解を深めるための応用も考えられるという。このように、MEGANEによるフォボスの元素組成観測は、MMXの他の科学観測と併せて、火星衛星の起源解明に大いに貢献することが期待されるとしている。
(波留久泉)



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