大阪公大、“6次元”の高次元理論で素粒子の世代構造の説明に成功
マイナビニュース / 2024年6月13日 18時11分
そうした中、大統一理論にヒッグス粒子も含め、5次元以上の理論に拡張することによって、統一的に記述する高次元理論であるゲージ・ヒッグス大統一理論を扱ってきたのが研究チームだ。今回の研究では、3世代構造を内包する大きな対称性を持つ6次元ゲージ・ヒッグス大統一理論から出発し、余分な空間を1つ丸めた後に、3世代のクォーク・レプトンを過不足なく含む5次元ゲージ・ヒッグス大統一理論を導く理論を探索することにしたという。
その結果、SU(14)という非常に大きな対称性(14次元複素ベクトルの長さを変えない対称性)を持つ理論から、3世代構造が自然に実現されることを発見したとする。
今回の発見により、クォーク・レプトン世代構造の起源について、さらに深く理解できることが考えられるとする。また、唯一残された相互作用である重力を含めた、究極の統一理論の構築へのヒントを提供することも期待されるという。それに加え、究極の統一理論の最有力候補である超弦理論から導かれる可能性に新たな道筋を開いたことになるとした。
研究チームは今後、今回発見された6次元ゲージ・ヒッグス大統一理論を用いて、素粒子標準模型では計算できないクォーク・レプトンの質量に関する特徴的なパターンや、大統一理論の予言である陽子崩壊の主崩壊モードの予言についての研究を進めていくとする。また、今回の成果の6次元理論では、3世代のクォーク・レプトンを導く素粒子が複数含まれるため、より少ない素粒子から3世代構造が導かれるシンプルな理論を構築していくとした。
(波留久泉)
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