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ホンダが軽EV「N-VAN e:」を2024年10月に発売! どんなクルマ? ライバルは?

マイナビニュース / 2024年6月14日 8時0分

仕様は1人乗りの「e:G」、2人乗りの「e:L2」、4人乗りの標準車「e:L4」、アイボリー内装で外観はツートンカラーも選べる「e:FUN」の全4タイプ。EVとしての走行性は全て同等だが、「e:FUN」以外には急速充電機能を除いた仕様も用意する。主力は法人向けとしながらも、ビジネスからホビーまで幅広く使える上級タイプ「e:FUN」までそろえるのは、こだわりの強い個人事業主や趣味でEV軽バンを使いたい個人を狙うためだ。

注目の価格だが、シリーズ全体では243.98万円~291.94万円と200万円台に収めた。とはいえ、ベースのN-VAN(136.51万円~201.63万円)と比べるとかなり高価だ。ただ、黒ナンバーの「軽貨物運送事業用車両」ならば事業者用補助金(LEVO補助金)が適用となり、約100万円の補助が受けられるので、車両価格は全グレード200万円を切る設定になるという。また、「一般使用補助金」(CEV補助金)でも軽自動車の最大補助額である55万円が適用されるというから大きい。

車種こそ少ないが、ライバルもしっかりと存在する。最大のライバルは三菱自動車工業が先行投入していた「ミニキャブEV」だ。こちらは2023年11月の大幅改良で航続距離が180km向上。割り切った仕様でもあるため、価格は240万円台に抑えられている。同モデルには姉妹車として日産自動車版「クリッパーEV」もある。日産の販売力を考えると、侮れない存在といえるだろう。

日本のファブレスEVメーカー「AFS」が手掛ける「AFS 2.0」は、その実力は未知数ながらも、航続距離は243km(JARI測定値)とN-VAN:e同等で価格帯も近い。さらに、発売が延期されているが、ダイハツ工業、スズキ、トヨタ自動車の協業による軽商用EVもいずれ登場する。

現時点で、トータル性能はN-VANが最強だ。しかし、軽商用EVで難しいのは、購入者が必ずしも使用者とは限らないことだろう。

N-VANは上級車路線の軽乗用車「Nシリーズ」と基本を共有するため、全方位でポテンシャルが高い。特に先進機能を含め、安全面では抜きん出ている。ただその分、コスト面では不利だ。事業者からすれば、利益を上げるためには車両価格を抑えたいというのが本音だからだ。そのため、N-VAN e:では、急速充電なし仕様を用意するなど価格を重視した設定も行っている。

一般ユーザー目線だと、245kmの航続距離は物足りなく感じる。ただ、N-VAN e:は、気候が暑くても寒くても1日100kmはしっかりと走れる性能を確保することにこだわった。一般的に、配送事業者の1日の移動距離は70~80kmとされるため、十分にカバーできるというわけだ。ヤマト運輸とのテストでのフィードバックとして、加減速時の荷物の落下を防ぐため、アクセルと回生ブレーキを少し穏やかにするための専用チューニングも行っているというから、作り込みも期待できる。

カーボンニュートラルの実現が社会課題となる今、身近な商用車である軽商用EVのニーズは今後、拡大していくだろう。簡素なモデルが多い商用車の中で、N-VAN e:は先進的かつ機能的で、ちょっと特別なクルマに仕上がっている。その分、価格競争では厳しい面もありそうだが、その魅力をいかに企業に売り込めるかが勝負となりそうだ。

大音安弘 おおとやすひろ 1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。主な活動媒体に『webCG』『ベストカーWEB』『オートカージャパン』『日経スタイル』『グーマガジン』『モーターファン.jp』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。 この著者の記事一覧はこちら
(大音安弘)



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