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NIMS、多彩な色を放射できる自然由来のマイクロビーズを開発

マイナビニュース / 2024年6月15日 9時5分

ビーズ中には、カーボンドットに似た縮合芳香環を持つ構造が分散して形成されている。それらの構造は離れているため、お互いが出す光を吸収しにくく、ビーズに光を当てると強く発光できるという。ちなみに、以下の例のように、照射された光の波長に応じて、さまざまな色に発光させることが可能とする。

波長355nmの紫外線の照射:波長450~650ナノメートル(nm)近辺の青色光を量子収率約50%の効率で発光
波長470nmの青色光の照射:波長550~700nm近辺の黄色光を発光
波長532nmの緑色光の照射:波長550~800nmのオレンジ色光や赤色光を発光
波長580nm以上の光の照射:波長600~900nmにわたる赤色発光や、波長1000nmを超える近赤外線も発光

強く発光する理由は、ビーズ中で発生した光が、ビーズ表面に沿って周回し、外周の光学的距離が光の波長の整数倍となる場合に共鳴を起こすため。この現象は、発光スペクトル中の多数のスパイク状の輝線として現れ、ビーズのサイズや真球度に応じてそれらの波長、強度、輝線の幅が大きく変化する。このような現象は、ビーズを周回する光の干渉効果によるものであり、「ささやきの回廊モード」(WGM)と呼ばれる。

WGMは、過去に希土類元素や石油化学系の色素をドープしたガラス製やプラスチック製のビーズなどで観測例があるが、今回の素材のような、自然由来の材料を用いて、なおかつシンプルな1回の水熱合成法で合成できるものでは初めてだという。金属を用いないため、日常用途での応用が期待されるとする。

さらに今回のビーズは個々のWGM発光スペクトルが異なることから、認証タグやバーコードのように個々のビーズを同定できるとする。それにより、偽造防止用のインク、複製不可能な認証技術としての応用も期待されるとした。このような特徴は、複製不能な認証キーをもつ偽造を防ぐ商品のタグや、個々のビーズを識別し追跡できるバイオマーカーなど、バイオ研究や医療への応用も期待できるとしている。
(波留久泉)



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