太陽HDが開発に邁進、半導体の三次元化を推進する高解像度感光性絶縁材料
マイナビニュース / 2024年6月17日 13時30分
太陽HDでは、これまで高解像度感光性絶縁材料分野にはそれほど注力してこなかったというが、2年前の2022年、研究本部内において三次元実装材料プロジェクトを立ち上げ、ウェハレベルに対応した新たな高解像度感光性絶縁材料の研究開発を開始したという。
開発を進めている高解像度感光性絶縁材料は、感光性はネガ型で、露光波長はi-line(λ=365nm)、現像液は濃度が2.38%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)という仕様で、解像度は配線の幅と隣り合う配線同士の間隔であるライン/スペース(L/S)で0.7/0.7μm、厚さ2.6μmを実現しているとする。
研究レベルとしては、8インチのウェハプロセスに対して同材料を適用し、L/Sが1/1μm、温度130℃、相対湿度85%、電圧1.7Vという条件で信頼性の検証を実施したところ、8インチウェハプロセスで活用できることが確認されたという。
今後は、12インチウェハプロセスで開発した高解像度感光性絶縁材料の検証を行っていくことで、事業展開を図っていきたいとする。また、同社はベルギーにある半導体研究機関imecの3Dプログラムへ参加し、RDLの微細化技術の共同開発にも着手しており、今後も研究開発を加速させたい意向を示している。
具体的な高解像度感光性絶縁材料の販売時期は未定としつつも、「(この高解像度感光性絶縁材料を)2026年には市場に投入していきたい。現状は、まだまだ研究開発レベルのプロダクトアウト的な意味合いが強いが、我々がこうした研究に取り組んでいるということを2024年はアピールしていきたい」と緒方氏は語っていた。
(上定真子)
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