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東大 生研、これまでの酸素濃度を大きく下回る高純度チタン製造法を開発

マイナビニュース / 2024年6月17日 15時27分

研究チームはこの新技術を用いることで、鉱物のチタン酸化物から酸素濃度の低い金属チタンやチタン合金を直接製造することが可能になるという。また今回の技術を応用し、不純物の酸素に汚染されたチタンやチタン合金のスクラップを、高純度のチタンやチタン合金にアップグレード・リサイクルすることも可能になるとする(現在のリサイクル技術は、チタンの純度や価値が低下する「ダウングレード(カスケード)・リサイクル」しか存在しない)。スクラップのリサイクルは、鉱石から金属を製造する工程に比べて低コストなだけでなく、環境への負荷も小さいため、今後一層重要な取り組みとなるとした。

今回開発された技術で利用するイットリウム、ランタン、セリウムは、電気自動車のモーター用磁石に用いられるネオジム、プラセオジム、ジスプロシウム、テルビウムといった希土類金属の「副産物」として多量に生産されている。これら“副産物の希土類金属”は、高性能磁石の需要の急激な増大に伴って、供給が過剰となっている。これらの余剰な希土類金属をチタンの製造やリサイクルに利用することは、資源の有効利用という観点からも今回の技術の優れた点となるという。

また今後は、航空機の生産量増加に伴い、チタンの需要量がますます増加することが予想されているのに加え、スマートフォンの筐体といった民生品へのチタンの利用量も増加傾向だ。今回の研究成果は、チタンの生産コストを劇的に低下させ、チタン製品の爆発的普及を実現することで、レアメタルであるチタンをコモンメタル・ベースメタルに変える革新的なプロセス技術へと発展することが期待されるとしている。
(波留久泉)



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