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カレー沢薫の時流漂流 第304回 責任者を出せ! の「責任者」は誰? グーグルマップの「口コミ」でグーグルが訴えられる

マイナビニュース / 2024年6月17日 18時6分

全貌は明らかになっていないし、サレ妻が発信した情報に虚偽があった可能性もあるが、どうやら不倫があったこと自体は本当のようである。

不倫をされた側が罪に問われるという結果に同情する者も多く、不倫の罪の軽さを疑問視する声もあがっていた。

しかし、不倫の罪も軽いが、実は名誉棄損の罪もそこまで重くないのである。

よって名誉棄損によって損害賠償を命じられたとしても、情報を流すことで得られる利益の方が遥かに大きいため、実質ノーダメであり、訴訟をちらつかせることも大した抑止力になっていないという意見もあり、ネットの誹謗中傷が問題になっている今、誹謗中傷や名誉棄損をもっと厳罰化すべき、という声も大きい。

だが、昔よりもネット上の誹謗中傷に関する訴訟件数が増えているのは確かであり、それが得意であると謳う法律事務所も少なくない。

スキャンダルに対しては言及や拡散を控え、対岸からオペラグラスで眺めるだけでノータッチ、というある意味最も下品なスタンスを取るのが無難と言える。
○井戸はなくとも、井戸端会議であらぬウワサが流れてる

しかし、逆に「ノータッチ」を貫いたことで訴えられる事案も発生している。

学校行事に対して盛り上がってないことをクラスの陽キャにノリが悪いと責められるように、他人の不倫報道にアツくならなかったことを罪に問われるわけではない。

日本の医師ら60人が「グーグルマップ」を相手取り、一方的に投稿悪評を「放置」したとして集団提訴をしたそうだ。

悪評を書き込んだ当人ではなく、書き込まれたプラットフォーム側に賠償責任を問うのは、異例だという。

確かに、口コミサイトに悪評を書かれるのは店側にとって損害であり、それが悪意によって書き込まれた事実無根であればなおさらだ。

それらのデマ削除を要請しても対応しなかというなら、いじめの相談を受けながら対応しなかった学校側が責任を問われるのと同じように、プラットフォームにも責任があると言えなくもない。

しかし、悪意のある誹謗中傷ではなく、店で起こったことをありのままに書いたポルナレフレビューをした結果「飯はまずいし店主は頭がおかしい」という内容になってしまうこともあるし、そのレビューのおかげで地雷を回避する人もいる。

しかし、事実だとしても公の場に相手の名誉を棄損することを書くと名誉棄損になってしまう恐れがあるのだ。

このような口コミに対する訴訟が増えると、みんなレビューを控えるようになり、口コミサイト自体が機能しなくなってしまうかもしれない。

そして、私のような宣伝費が出ず「口コミ頼み」の営業をしているものは餓死する。

言葉は人を殺すが、口を塞ぎ過ぎても結局死者が出るのである。
(カレー沢薫)



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