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北大など、最古のアリ化石を調査し1億年前には社会性を獲得していたと解明

マイナビニュース / 2024年6月18日 19時15分

その結果、ゲロントフォルミカの触角上には多数の感覚子が精細に保存されており、現生種が持つ5種類の突起状の感覚子のうち、少なくとも4種類が同化石種にも存在していることが確認されたという。

確認された感覚子のうち、「湾曲毛状感覚子」は全昆虫の中でもアリ類だけが独自に進化させたものであり、警報フェロモンに応答することが現生種の研究から示されている。白亜紀のゲロントフォルミカは、このアリ固有の湾曲毛状感覚子をすでに獲得していたことから、フェロモンによる警報シグナルをコロニーの仲間と送受信していたことが考えられるとした。

また、アリ類の錐状感覚子は触角上において背側と内側に偏って分布しており、体の表面に存在するフェロモンを探知することで、コロニーメンバーを識別する役割を担っていることがわかっている。これは、巣の仲間と部外者を見分けるために必要な機能であり、社会形成において極めて重要とされる。ゲロントフォルミカでも現生種と同じように錐状感覚子が存在し、かつ触角の背側と内側にのみ分布していることが回転可視化法により解明された。このことは、同化石種がフェロモンを介した巣仲間識別システムを利用していたことが示されているとしている。

以上のように、ゲロントフォルミカは1億年も前の最古の化石アリでありながら、現生種と共通した触角感覚システムをすでに進化させており、アリ類が進化的最初期の段階から複雑なフェロモンコミュニケーションと社会システムを獲得していた可能性が突き止められた。

今回開発された手法は、琥珀内の微小な構造をあらゆる方向から観察可能とするものであり、琥珀に保存された極めて状態の良い化石の詳細な形態解析を通して、さまざまな絶滅生物の生態・進化の解明に貢献することが期待されるとしている。
(波留久泉)



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