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佐野正弘のケータイ業界情報局 第129回 コロナ禍や円安を経て戦略が分かれたオッポとシャオミ、その成否は?

マイナビニュース / 2024年6月20日 11時0分

厳しい市場環境にありながらも、あえて積極路線を打ち出しているのがシャオミです。2024年5月には、ミドルクラスのスマートフォン「Redmi Note 13 Pro 5G」「Redmi Note 13 Pro+ 5G」の2機種だけでなく、最上位のフラッグシップモデル「Xiaomi 14 Ultra」を高額ながらあえて日本のオープン市場に向けて投入しています。

さらに、2022年以降新機種の投入がなかったオンライン専用の「POCO」ブランドに関しても、海外で発表されたばかりの最新モデル「POCO F6 Pro」を日本市場に投入。積極的な製品投入を図っていることが分かります。

シャオミとしては、厳しい市場環境で競合が減少しているなか、あえてリスクを取って攻めの戦略を打ち出すことで、消費者の支持を高めてシェア向上につなげようとしているのでしょう。実際、Xiaomi 14 Ultraは非常に高いカメラ性能を備えながらも、海外よりもかなり安い価格で販売されていることもあって、高性能なフラッグシップを欲している人からかなり好評なようです。

一方で、オッポは新製品投入には慎重な姿勢を崩していないようです。実際、オッポが2024年に投入しているのは、記事執筆時点では2月に発売されたエントリークラスの「OPPO A79 5G」と、6月20日に発表したミドルクラスの「OPPO Reno11 A」の2機種のみとなっています。

オッポの「A」シリーズと「Reno A」シリーズは、ともにこれまで日本市場に向けて継続投入されてきたもの。加えて、先に触れた2機種はいずれもオープン市場だけでなく、楽天モバイルとソフトバンクの「ワイモバイル」ブランドでも販売がなされています。そうしたことを考えると、オッポは環境改善が進むまで、安定して販売できるモデルの確実な投入を重視する、慎重な戦略を継続して生き残りに重点を置いているのではないかと考えられます。

厳しい環境下でまったく異なる戦略を取る両社ですが、現在の市場環境がいつまで続くかは見通せず、それぞれの戦略の成否を見据えるのは非常に難しいといえます。短期間で終わるようであれば、攻めの姿勢を取るシャオミに優位に働くでしょうし、長く続くようであれば慎重姿勢を取るオッポに分があるようにも感じますが、それも今後の動向次第というのが正直なところではないでしょうか。

佐野正弘 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。 この著者の記事一覧はこちら
(佐野正弘)



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