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愛媛大など、宇宙の夜明けの時代に合体する2つの巨大ブラックホールを発見

マイナビニュース / 2024年6月19日 16時30分

そうした中、研究チームは10年以上の時間をかけ、超遠方宇宙に存在するクェーサーの探索を行ってきた。クェーサーとは、銀河中心のSMBHが周囲の物質を活発に飲み込んでおり、非常に明るく輝いている中心核を持つ銀河のことをいう(銀河全体よりも中心核の方が明るい)。すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ「Hyper Suprime-Cam」による大規模な撮像探査「HSC-SSP」により、これまで約200個の超遠方クェーサーが発見済みだ。しかし、研究チーム以外による観測を含めても、これまでにペアになっているクェーサーは確認されたことがなかったという。

そうした中、今回の研究における、すばる望遠鏡で撮影されたクェーサー候補の画像をスクリーニング(目視による見直し)作業の際に、とても赤く、似通っている2つの天体が隣り合っているのが偶然発見された。そのペアが本当にクェーサーなのかどうかを確認するため、次にすばる望遠鏡の分光器「FOCAS」と、すばる望遠鏡と同じハワイ・マウナケア山頂にあるジェミニ北望遠鏡の赤外線分光器「GNIRS」を用いた追観測が行われた。

FOCASで検出された「水素ライマンα輝線」から、2つの天体が129億光年先(赤方偏移z=6.05)にあるクェーサーであることが判明。また、2つのクェーサーの本体であるSMBHがほぼ同じ質量をもつ「双子」であることも確かめられた。さらに、2つのクェーサーをつなぐガスの構造も検出されたことにより、両者の合体が起こっていることが推測されたとする。また、アルマ望遠鏡による追観測も行われ、周囲のガスが非常に興味深い構造をしていることも突き止められたという。

今回の研究成果は、衝突と合体を繰り返しながら成長する銀河の中で、SMBHがどのように進化するのかを知るための重要な発見としている。
(波留久泉)



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