1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

井上尚弥からWBA世界王座が剥奪される? その後に紡がれる珠玉のストーリー。

マイナビニュース / 2024年6月21日 7時30分

○■王座剥奪の可能性は低い、それでも…

さて、井上陣営がWBAの指名試合要請を拒否した場合、ベルトは剥奪されるのだろうか?
その可能性は低いと思う。
理由は2つ。

まず、井上は単なるWBA王者ではない。WBAスーパーバンタム級の「スーパー王者」。これも歪なシステムだが、WBAは正規の世界王者の上に「スーパー王者」を認定している。スーパー王者の場合、指名試合の期間は猶予され、9月に行わなかったとしても12月に闘う用意があることを伝えれば剥奪はないだろう。

もう一つは井上の存在の大きさである。
WBAのみならず各団体の収入源は、世界タイトルマッチの認定料。この金額は一定ではなくイベントの規模、選手のファイトマネーに比例して決まる。そんな「金のなる木」を王座認定団体が、アッサリと手放すとは思えないのだ。

それでも、WBAが「指名試合拒否」を理由に井上からベルトを剥奪する可能性もゼロではない。これに関して大橋ジムの大橋秀行会長は、こう話している。
「4団体の王座を統一したことに意義がある。場合によっては(WBA王座剥奪も)仕方がない。そう本人(井上尚弥)とも話している」
WBAのベルトを失ったとしても、井上尚弥がスーパーバンタム級最強であることに変わりはないのだ。

むしろ、WBA王座が剥奪された方がストーリー的には面白いかもしれない。
その場合、WBA世界スーパーバンタム級の新王者決定戦が、アフマダリエフと上位ランカーの間で年内に行われる。
そして来春、ここでの勝者と井上が「4団体世界スーパーバンタム級王座統一」をかけて闘うというのはどうだろう。
同一階級で2度「4団体世界王座統一」を果たしたなら史上初の快挙だ。その試合を最後にフェザー級へ転向。これもモンスターに相応しい珠玉のストーリーのように思えるのだが─。

文/近藤隆夫

近藤隆夫 こんどうたかお 1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等でコメンテイターとしても活躍中。『プロレスが死んだ日。~ヒクソン・グレイシーvs.高田延彦20年目の真実~』(集英社インターナショナル)『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文藝春秋)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(ともに汐文社)ほか著書多数。
『伝説のオリンピックランナー〝いだてん〟金栗四三』(汐文社)
『プロレスが死んだ日 ヒクソン・グレイシーVS髙田延彦 20年目の真実』(集英社インターナショナル) この著者の記事一覧はこちら
(近藤隆夫)



この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください