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魚の油に含まれるEPAが疲れにくい脂肪燃焼型筋繊維の割合を増加させる!

マイナビニュース / 2024年6月21日 15時32分

次に、ラットにEPAを4週間投与したのち、呼気ガス計測装置を用いて全身の代謝が測定された。するとEPA投与ラットにおいて、対照ラットと比較して酸素消費量が有意に増加したという。さらに、麻酔下での脛骨神経への電気刺激により発生する後肢ふくらはぎ筋の最大発揮張力を測定した結果、EPA投与ラットで有意に高い値が示され、筋持久力も有意に向上していることが確認されたとした。つまり、EPAの投与はラットのエネルギー代謝を亢進し、筋機能も向上させることがわかったのである。

続いて、そうしたEPAによる作用に筋線維タイプの変化が関与しているのかどうかが調べられた。長趾伸筋からタンパク質および「total RNA」を抽出し、遅筋タイプマーカーである「ミオシン重鎖(MyHC)1」の発現量を解析したとのこと。その結果、EPA投与ラットにおいてタンパク質、mRNAレベル両方で対照ラットと比較して有意に発現量が増加していたという。また、免疫組織化学染色で足底筋の筋線維タイプ組成を調べた結果、同様にEPA投与ラットにおいてMyHC1陽性筋線維の割合が有意に増加していることが確かめられたとした。

最後に、EPAが筋細胞で遺伝子や代謝物にどんな影響を与えているのかを調べるため、EPA添加が培養筋管細胞における遺伝子および代謝物にどのような影響を与えるのかが、網羅的解析(RNA-seqおよびメタボローム解析)を用いて調査された。すると、EPA添加は筋細胞のPPARδおよびAMPK経路を活性化することが突き止められたのに加え、脂質をエネルギー源として有酸素系の代謝経路である「TCAサイクル」を活発にすることも示唆されたとする。

今回の成果について研究チームは、古くから知られていた魚油摂取が脂肪燃焼を促進する理由の一端を解明すると同時に、脂質燃焼作用の亢進や抗疲労性体質の獲得といった運動トレーニングと類似した効果を引き起こすことを解明した。また今回の成果は、健康科学分野やスポーツ科学分野に貢献できると考えているとしている。
(波留久泉)



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