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東工大、透湿性・自己接着性を兼ね備えたネットのような生体電極を開発

マイナビニュース / 2024年6月21日 16時0分

次に、透湿性についての評価が行われた。そして、210nmの膜厚を有するエラストマー超薄膜を、支持体としての濾紙(桐山濾紙)に貼り付けて測定した時の水蒸気透過率は、濾紙自体の透過率に匹敵する値が示された(6198gm-2(2h)-1)。これは、超薄膜が高い水蒸気透過率を持つことを意味するという。さらに、SWCNTを塗布した導電性伸縮超薄膜(濾紙に貼り付けた状態)は5183gm-2(2h)-1であり、導電性伸縮超薄膜自体の水蒸気透過率を計算すると28316gm-2(2h)-1と、人間の表皮の水蒸気透過率(204±12gm-2(2h)-1)よりも2桁程度大きな値だった。これにより、導電性伸縮超薄膜は透湿性にも優れることが実証された。

最後に、この柔軟で高い伸縮性・透湿性を有する導電性伸縮超薄膜を右腕前腕に接着剤なしで貼り付けて表面筋電位測定ユニットと接続し、右手にトレーニング用グリッパーを把持して5秒ずつ「握る」と「解放する」を5回繰り返した時の表面筋電位が測定された。結果、今回の導電性伸縮超薄膜は市販ゲル電極に匹敵する信号/ノイズ比(SNR)を示し、生体電極として十分使用できることが確かめられた。

今回の研究で開発された生体電極は一般的なロール・ツー・ロールプロセスを用いて製造できるため、将来的な大量生産にも適しているという。研究チームは今後、さらに電極の性能(SNR)を高めるため、皮膚と電極の界面の電気化学インピーダンスの低減に取り組むとした。また今回の生体電極は、装着者に違和感を与えずに、生体筋の活動状態をリアルタイムかつ長時間測定することが求められるスポーツ科学や介護分野への応用が期待されるとしている。
(波留久泉)



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