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新作タイトル『Neva』の映像に魅了されたので、過去作『GRIS』で世界観の原点を探ってみた

マイナビニュース / 2024年6月24日 10時15分

右も左もわからないまま前に進んでみると、壊れた遺跡の中にひと粒の「星」が瞬いている。近づいたら、星がGrisのあとを追ってくるようになり、いくつか集めると、星座のような線を描いて橋がかかり、空中に“星座の道”ができるといったシーンもあった。

ほかにも、星々はときにGrisに力を与え、岩になる能力で崩れかけた床を砕き地下へ進めるようになったり、泳ぎを覚えて水中深くまで潜れるようになったりと、新たなアクションが使えるようになる。行けなかった場所にどんどん進めるようになり、世界は少しずつ広がりを見せ、色を取り戻していく。

ビジュアルとサウンドで彩る、真新しい世界観

作中には、Grisが取り戻した「色」に合わせて、いくつかのステージが登場する。緑の木々が揺れる森のステージ、青い雨が降る水のステージ、暗闇の中をあたたかな黄色い光が灯る洞窟のステージなど、どれもアクションゲームの定番といえる舞台だ。

しかし、Conrad Roset氏が描く世界は全く新しい印象を与えてくれる。幾何学模様の植物や愛くるしい生き物たち、じんわりと滲む水彩画の背景があまりにも美しく、コントローラーを置いて画面を見入ってしまう瞬間が幾度もあった。

特に感動したのは、物語の後半に登場する鏡のステージだ。星空に浮かぶ青く透き通った塔は上下逆さまに建ち、水も下から上へと流れていく。夢に見るような幻想的な光景には、思わず感嘆の息を漏らした。

ステージごとに鳴り響く荘厳な音楽も作品の世界観をより魅力的に演出する。サウンドを務めるのは、スペイン・バルセロナを拠点に活動する音楽バンド「Berlinis」。足音や鳥の鳴き声など、環境音と見事に調和したアンビエントな曲調がとにかく気持ちいい。先の鏡のステージでは、睡眠導入のヒーリングミュージックのような優しい音楽が奏でられ、まさに夢心地であった。

戦闘要素のない本作だが、幾度かボス戦のような緊迫した場面が訪れる。巨大な影の生き物に追いかけられたときには、力強いサウンドが前に進む勇気を奮い立たせてくれた。

そして何よりも魅力的なのが、Grisの歌声だ。物語の鍵となる彼女の美しい歌声は、言葉に意味を持たずとも聴いているだけで感情があふれてくる。没入感を高めるためにも、ヘッドホンやイヤホンを装着してのプレイは必須だ。

いくつかの収集要素は残ったものの、物語の主軸だけでいえば2〜3時間程度でゲームクリアまでたどり着いた。謎解きで行き詰まることもなく、アクション部分も数回のチャレンジで突破できるレベル。アクションゲームがあまり得意ではない人でも難なくクリアできるだろう。反対に、歯ごたえのある操作感を求めるプレイヤーは物足りなさを感じるかもしれない。

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