ゲルから水溶液になりまたゲルに戻るハイドロゲル物質を岐阜大が“偶然”発見
マイナビニュース / 2024年6月24日 13時16分
この種の異性体(ジアステレオマー)が異なる自己集合能を示すことは理論的に説明できるが、スルホキシド部位の立体異性(硫黄原子(S)に酸素原子(O)が結合している向きが異なるだけの違い)に起因する現象として実験的に示された例はそれほど多くないという。
より具体的には、(1)は原料であるFmoc-CBzlと同様にナノファイバーネットワークを形成するが、(2)はナノファイバーではなく、ネットワーク化しないナノ粒子を形成することを、それぞれを分離精製して解明したとする。さらに、ナノファイバーを形成する(1)およびFmoc-CBzlの自己集合様式は、X線結晶構造解析によって原子レベルで解明された。
次に、ナノスケールの構造体の変化を調べるために顕微鏡を用いて、Fmoc-CBzlハイドロゲルの酸化反応による応答挙動が観察された。その結果、ハイドロゲル状態で存在していたナノファイバーネットワークが酸化反応の進行とともに消失し、ナノ粒子に変化した後、しばらくすると再びナノファイバーネットワークが自発的に出現することが判明したとする。
そして、そのようなナノ構造体の構造変化(ナノファイバーネットワーク→ナノ粒子→ナノファイバーネットワーク)は、巨視的な状態変化(ハイドロゲル水溶液(ゾルとも呼ばれる)ハイドロゲル)とよく相関することが解明された。つまり、巨視的な状態変化は、酸化反応によってナノファイバーネットワークを形成していたFmoc-CBzlが少なくなり、その代わり増えてくる(2)の影響でナノ粒子に変化するものの、時間が経過すると、今度は(1)の影響で再びナノファイバーネットワークに変化したと解釈できるとした。
今回の研究で開発されたようなハイドロゲルの内部には、細胞やバイオ医薬品を包埋できることが知られていることから、研究チームは、新たな医療用材料としての応用開拓が期待されるとしている。
(波留久泉)
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