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東工大、CNTバンドル構造体のねじり変形で回位が生成されることを発見

マイナビニュース / 2024年6月24日 14時38分

CNTBの横断面における内部構造の変化を解析するため、各断面内(xy平面)の各CNTを点として描き、3次元ではz方向に沿った線として表すと、横断面での内部構造をプロットすることが可能だ。同プロットからは、ねじり変形の過程でCNTB中のCNTの総数は一定に保たれるが、CNTBの局所的な配置は変化したことがわかるという。また、初期緩和状態の一様な六員環構造は崩れ、局所的な格子欠陥回位が形成されたことが観察されたとしている。

そしてCNTBをねじり変形させた結果から、回位線が長いほどヤング率が低下することが判明。CNTBの3次元モデル(6層を例)では、各横断面で観察された回位は3次元では線状に連なっている様子が観察されたとする。また、ねじり変形によって発生した回位はくさび型に属し、回位線の方向はz方向に伸びているものの、形状は直線ではなく曲線であることが分かった。さらに、ねじれ角度が増加するにつれて各横断面で回位が生成し続け、回位線が成長すると共に、CNTBのヤング率が顕著に減少することが解明された。

なお、ねじり変形前のCNTBのヤング率は層数に依存せず、ほぼ1テラパスカルであり、ねじり変形を受けたCNTBのヤング率の減少率もほぼ層数に依存しないことも確認されたとのこと。3層からなるCNTBでは回位は発生しないものの、層数が増えるにつれて回位線の長さは長くなり、ヤング率は低下することが初めて明らかにされた。

研究チームによると、今回の研究の最終目標は、材料の格子欠陥導入に伴う微視的内部構造変化と力学特性の相関解明から得られる知見を材料機能設計に活かし、新しい計算材料科学に関する学問分野を開拓することだという。微視的な格子欠陥導入を積極的に利用したマクロな諸特性を有する材料設計は、さまざまな分野への応用が期待されるとする。

また、CNTB材料内における回位の存在状態を研究することは、強度や靭性といった同材料の力学特性を理解し、向上させるのに役立つとのこと。最近では材料内の回位の重要性が認識されつつあり、知見の整理・概念の統合・理論の精緻化により、実験の指針となる回位理論を構築することが期待されるとしている。
(波留久泉)



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